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半タライのウッキーゲーム 飼育ゲーム編

 ウッキーが私の弟分になった日のことはよく覚えている。雪の日に我が家の軒下に迷い込んで悲しげに「キューん」と鳴いていたのだ。兄弟が欲しかった私は親に
「飼ってもいいでしょ?」
とねだった。両親は渋い顔で、
「ちゃんと面倒みるんだよ」
と何度も念を押した。棒状の食べものを分け合い、ホームセンターのペット部で専用のTシャツを買って着せた。ママは
「その服洗濯機で洗う気?」
ときく。暑い日ウッキーをシャワーで水浴びさせようとすれば
「なんで風呂場にコイツがいるんだ」
とパパが怒る。残りわずかとなったお小遣いで100均のハーフサイズタライを買った。フルサイズだと300円なのだ。これなら洗い物にも行水にも使える。通りすがりの愛護団体の人に「洗濯洗剤の残り滓が皮膚炎の原因になっている」と指摘された。虐待の疑いで我が家に捜査機関の手が入った。

「だからハンタライだったんだ、よりによって犬を飼うなんて」
パパは元々赤い顔とお尻をさらに赤くした。

410文字

サrは巻き舌?


たらはかに様の裏お題に参加しています。

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