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鋼こむらがえり

 SNSの創作界隈を眺めていて気づいたことがある。小説を作る人は料理もするということだ。もちろん小説を作らなくても料理は誰でも作るだろうし、クリエイターが創作に疲れてグルメな話題をつぶやいている可能性だって否定できない。いずれにしてもクリエイターとしてのこだわりがクッキングに生かされていることは間違いない。面白い話を書く人が健啖家でシェフであるケースは多いに違いない。お腹に入れば同じなどとは決して言わないだろう。

 創作にも料理にも才能に恵まれない私が見つけた新聞広告とは鋼のフライパンとコムラ返しセット、ショートショートの粉込1980円というものであった。粉を水で溶きお題という具を投入して鋼のフライパンで焼くだけなのだから誰でもできそうに思えた。加工してあるため焦げ付く心配もない。だがフライ返しでキレイにひっくり返すのは技術が必要であった。
エイッ、あ、足をひねった? 
うまく返し損ねてコムライスの裏が破れていた。

410文字

たらはかに様の裏お題に参加しています。

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