発砲通報プロ ①
「ぼくのお母さんのお仕事は、発砲して通報することです。」参観の保護者らがザワつく。嫌な予感が的中してしまった。予め誰かが選ばれると他児童の緊張感や他の親の期待感が薄れるデメリットがあった。
「今回はルーレットで決めます」
まさか当たるとは。授業が終わったあとの次期役員決めとなると早速
「タカシくんママお願いしますよ、何たって発砲通報のプロフェッショナルでしょう」の声が上がった。
「そうそう。数年前に国民全員猟銃所持が義務化したけど、凶暴な野生生物や地球外侵略者以外には発砲してはならないというルールを破る人を監視なさっているくらいですものね」
ああ困った。
「皆さま誤解です。私はそんな大した者じゃないんです」そう言いかけたとき、教室内は阿鼻叫喚の地獄に陥った。
「キャー!」
私は条件反射で懐から取り出した筒を構え発射した。
「通報します。一匹仕留めました。片付けはお願いします」わが家ではこれが私の役割だ。Gジェットプロを収める。
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