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スナイパーの意外な使い方 ①

 皇帝も楽じゃない。そこらじゅう刺客だらけ。だらけた刺客、丸い刺客、視覚に訴える刺客もいれば、無資格の刺客もいる。包丁を手にズカズカとやって来た奴には料理人という立場を与えテレビ局への紹介状も書いてやった。いまや売れっ子シェフだ。しっかくの好意は無にされたが。くの一の刺客は高給と言いくるめて後宮に送り込んだ。従順な刺客は首に縄をつけて「スナイピー」と名づけた。
 かくいう私も実はスナイパーだった。首尾よく獲物を仕留めた私は皇帝の影武者にスカウトされたのだ。暗殺者は次から次へと現れた。みんな私の弟子教え子そして子や孫で弱点はよくわかっていた。世界中の腕に覚えのあるスナイパーが吸い寄せられるようにこの城にやってきてはホイホイ粘着シートの餌食になった。この成り行きにスナイパー志願者はパタリと途絶え養成所は経営難に陥った。
「Gと一緒にされたんじゃ敵わんといわけだ」政敵を狙う組織は渋い顔。
「まずはGを撲滅することだ!」

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たらはかに様のお題に参加しています。

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