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半タライのウッキーゲーム ②

 プールの授業は憂鬱でした。クラスでカナヅチは私だけ。いえあと一人明るくて水泳以外は運動のできるマサオくん。
「あ〜私としたことが!」
先生が絶叫しました。
「ビート板忘れてた。でも必要ありませんよね」
マサオくんが真っ青になるのがわかりました。タライを浮き具の代わりに使うことになりました。でも二人分支える浮力はなさそう。他の子たちは半笑いで見物しています。私がタライが沈まないよう遠慮がちに手をかけると、あれ自力で浮いてます。何だ大丈夫。先生は自分の教育効果に得意げです。途端にタライがポキっと半分に割れました。思わず私は半タライにしがみつき、でもそれはマサオくんのスクール水着でした。プールサイドの観客蜂の巣を突いた騒ぎ。半分しか笑っていない先生も内心ではウケたと大満足でしたね。

 私が生徒たちにポッキーゲームを強要して気まずく恥ずかしく断れない状況に追い込んだせいで今朝の交通網が二箇所で駄目になったとでも言うのですか?

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たらはかに様の裏お題に参加しています。

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