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アルプス笑点かい ヘルプ商店編

「お義父さんたら頑固でまいっちゃう」
義姉つまり兄のお嫁さんが父のことを愚痴っているのが聞こえてしまった。全くもってその通りなんだけど何もそんな言い方しなくてもいいじゃない? でも痛い点を突かれたというべきか。確かに父は言い出したらきかないうえ自分の間違いを認めない。
「あのなあ、わしが若い頃見た映像で北アルプスを舞台にした話じゃよ」
原作者はそのほかに『ゼロの笑点』という小説も書いているみたいなの。山岳小説といえば新田次郎先生よね。古本屋『次郎の商店』できいてみようかしら。と義姉が言葉を続ける。私にはピンときた。
「それなら『剱岳・点の記』よ。剱岳は北アルプスだし。『点』の話だし」
 すると父はけろりとした顔で、
「そうだ、思い出したよ。アルプスローゼの花だ。ひっくり返してゼロ。アルプスなのにゼロ地点、零点でヘルプー!というわけさ」

「アルプス」「ぜろのしょうてん」で検索すると松本清張原作の『ある遭難』だと思うのですが?

410文字

たらはかに様のお題裏お題に参加しています。


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