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「毒吐く南瓜」告白雨雲編

「ごめんください」
「あら物売りお断りの張り紙が目にはいらないの」
「そんなこと言わないで話だけでもきいてくださいよ」
「だいたいそのダサいパンツは何?」
「これですかカボチャパンツ又の名オードショースともいう昨今のトレンドです。そして看板でもあります」
「カボチャですって? 緑の皮の単純な回転体又の名クリカボチャのほうが皮剥きが楽でいいのに。毎日がハロウィンなら良かったわね、カボチャ屋さん」
「でもこれただのカボチャじゃなくて毒を吐くんですよ。服毒後24時間以内ならセーフです」

「姫ったらまた騙されたね。この前は林檎を売りつけられて、とんでもない毒林檎だったじゃないか」
「それだわ。いいこと考えた。皆んなでアップルパイの店をやるの。そしてその後で高額なパンプキンパイを売りつける。そうすれば大金持ちだわ」

 森の小人たちの家からの帰り道、オードショースの男の顔には雨雲がかかっていた。
告白しそびれた。死んでなかったじゃん白雪姫。

410文字

たらはかに様の企画の裏お題に参加しています。

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