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週に一回の楽しみ

毎週金曜日22時30分。仕事を終えた僕は必ず彼に電話をかける。それは休日に入る前の大切な時間でありつつ、ちょっとした緊張感のある自分なりのチャレンジだ。

「絶倫たぬきのきんたまらじお」

2021年3月に始まって、ついに半年が経ってしまった。堪え性のない私にとって、止めてしまってもなんの問題もないこのポッドキャストが続いているのは奇跡のようなことだ。

番組の軸は、「全く意味のない、でもってただ楽しい時間をつくる」というもの。それに付随して、「今週なかった話」や「交通情報」を話している。正直、この文章で伝わる気がしない。最近は、マンションの下で恩返しと称し、手作りおにぎりを配った話や、株をやりすぎてカブトムシになったりと、奇天烈具合が増しに増していると思う。頭がおかしいと思う。


毎週、かなりストイックにこんなことを考え続けているわけだが、自分としては苦しさはほぼ感じておらず、むしろ楽しみにしている。

仕事をギリギリで終わらせて、部屋を真っ暗にし、4000円の安マイクをスマホに挿し、スタンドなんて無いから、文庫本を積み上げていい感じの高さにする。

長崎⇄福岡での遠隔収録だから、家に一人。LINE通話とボイスレコーダーを駆使する。相方のたかゆきファンカレロは酒を飲むスタイルだが、私は飲まない。

そう、真っ暗な部屋で、大柄な男が酒も飲まずに手作りおにぎりをご近所で配った話をしているのだ。もはや恐怖である。

さらに、いい大人たちが、株のやりすぎからカブトムシになった話で、あそこよかったね〜、マジで面白いと思う。と自画自賛声ているのだから、ことここに至れり、病気なのではないかと思う。


たかゆきファンカレロは天才だと思う。いきなりアラスカと琵琶湖が繋がっている話をしてその話を受け止め、広げてくるのだから、しかも的確に。何をどうしたら、アラスカと琵琶湖が湖底で繋がっている話を一瞬で理解できるのか。天才である。

彼は編集していただいており、感謝しても仕切れない。

収録時間が1時間を超えたこともある。それでも翌朝には仕上がっていることも多く、そのバイタリティはどこから来るのか。大変ありがたいと思っている上で、彼も変態だと思う。


私はこの番組を多くの人に聞いてほしいと思う。

万人に有意義ではないかもしれない、でもきっとこのポッドキャストに意義を見出してくれる人がいると思うのだ。意味は自分で作り出すもの、リスナーに甘えまくっているこのポッドキャストが、それ自身はなんの意味はなくても、勝手にリスナーの方の意味になることを切に願い、今日も新たな変態が生まれることを祈っている。


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