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知的障害と診断された日

私には、うつ病、PTSD、解離性障害など、精神的な病気があった。
今はどれも寛解状態で、穏やかに暮らしている。

なぜ、病気が良くなったのかというと、沢山ある中で1つだけ理由をあげるなら、私自身が知的障害と診断されたからだ。


私は35歳でうつ病の症状が悪化し不眠と食事が取れなくなったため入院し、病院で知能検査を受けた。

IQというのは普通の人は100あって、一般的には、100よりも下回ると少し生きにくい。

私は67だった。

12歳程度の知能。

私には、心当たりがありすぎてありすぎて、なんでもっと早く診断されなかったんだろうと思った。


子供の頃の記憶がある。

写真を撮るために、兄がピースをしていた。私には、この指は何なんだろう?どうやってやるんだろう?と自分の指を見つめていた。いつの間にかシャッターが押されて、間抜けな顔で自分の指を見てる写真。

幼稚園に行っても先生に話しかけられて、自分の言葉が出てこない。ボロボロ涙がこぼれた。

気持ちを言葉にできない。

そのうち一人で過ごす時間に頭の中で感覚を考えて、ブロックや砂遊びを1人で黙々とやっていた。

小学生になっても、うまく話せないまま。
授業にもついていけず、私一人だけ時計も読めない。
それなのに、何故誰も障害があると気付かないのか?

一つは、私がおとなしい性格だと扱われていて、大人の言う事によく従って動いていたからだと思う。
相手が何を望んでいるか、よく理解していた。
そうする事で、話しかけられないで済むからだ。

もう1つは、不登校になったからだ。
勉強についていけなくなった頃に、朝学校に行こうとするとお腹が痛くなるようになり、原因不明の病気扱いで、小学3年生〜五年生まで、不登校になった。

中学生になると、更に勉強は全くわからない。
二年生から1日も登校できなくなり、そのまま卒業。

そして肝心の親は
不仲で、家庭内別居と不倫で私の事には無関心だった。


35歳になって、ようやく自分は知的障害だと言われて、ものすごくホッとした。

人より何倍も努力しても、どうにもならない事もある。

今までの人生のように、うつ病になるまで自分を追い込む必要は、無いと分かってから心が軽くなった。

私の幼少期の心情を例えるなら、子供の頃からピカソやダ・ヴィンチ、ベラスケスが同級生で絵を上手く描けるのが当たり前の学校に、無理矢理ずっと延々通わされるようなものだと思う。


皆さんの周りでも、もしかしたら診断を受けていないだけで困っている人が居るかもしれない。

知的障害があっても大学を卒業できる人も世の中には居るし、見た目には分かりにくい。

すべてを理解してもらわなくとも、そんな風にこの世の中には宙ぶらりんなままで生きなくてはいけない、軽度知的障害というものがあると言う事実だけは知ってほしい。

長文失礼しました。読んでくださり、ありがとうございました!😊🍀🍀




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