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稽古時間の少ない演劇【芝居犬 夢十夜001】

こんなツイートを見た。

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このツイートを発端とし、多少の議論が起きている。
文字だけで読み取れる議論は、次のようだ。見落としがあったらすいません。(かっこ)のなかの文章はしばいいぬによる注。本当のツイートはリンクを見てね。

A「インプロや朗読劇といった、稽古時間と予算を減らして行う公演が増加しているようだ。新しい世界を生み出すために挑戦することが表現なのであって、そういったマイナスな理由で行われている公演は表現とは言えないのでは?
B「インプロは稽古が必要です。
A「良いと思います。ガッツリ稽古して新しい世界を生み出して下さい

C「その傾向について、好意的に受け止めている。演じる人が増えることは、演劇人口が増えるということである。たしかに、こういった公演は『つまらない』、ほとんど身内のための公演であると感じる。だがそういった身内の公演が市場に与える影響力は小さいのではないだろうか。(『つまらなくない』公演をやっている我々としては、そうした増えた演劇人口に対して)適切に広報すればいいのではないか。
B「演劇人口が増えることはいいことです。

A「こういった公演を行っている人は、(Cの指摘のようにいままで演劇に携わらなかった新規顧客ではなく)芝居を今までやってきたが芽が伸びない層であるように思える。(つまり演劇人口は増えていないのではないか)

 ここで3人が認めているのは、「稽古や予算が小規模な公演が増えている」ということだろう。また、AとBは「面白い演劇を行うためには稽古を行うことが必要である」という点は同意している。

この議論でまだ解決されていない点は、はたして「低予算、身内向けの公演の増加が演劇人口・演劇市場の増加に貢献しているのか」である。

 まず俳優として稽古は、その公演の出演に対して行う時間労働であると同時に、自分の演技力などの技術を向上することのできる機会でもある。
 つまり経済的な用語でいえば、稽古という労働は出演に対して得られるフロー収入であると同時に、演技力の向上というストック収入でもある
 Bが指摘している「インプロのための稽古」というのはインプロ技術というストックを積み上げるための稽古が必要ということであろう。

 なので稽古時間の短い公演というのは、主催者側が出演者に対してストック所得は与えずに、出演料というフロー所得のみを与える公演であると考えられる。そのような公演を繰り返しても俳優は演技力というストックを積み上げることはできず、演劇市場には貢献していないのではないかといえる。

 しばいいぬとしては、特に東京近郊において演劇を行う人口はアングラ演劇の時代から今に至るまで別段増加していないと考えている。むしろ問題の核は劇団制の解体によって俳優を育てるための組織がなくなっていることが問題であるといえるだろう。




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