短編小説・スペースボール
「スペースボール、スペースボール、飛ぉーんだ」子供たちの歌遊びが示唆しているのは、宇宙探査機サトシとサトルの行く末。
【スペースボール】
すべての探査機には愛称が付けられていた。
宙を飛んでいるのがサトシ。
地上を這っているのがサトルだ。
二機で一組というわけではない。
彼らはむしろ敵といってもいい。
と言っても、機械に敵味方の認識はない。あくまで人間側からの見解だ。
彼らには不正侵入防御システムが組み込まれていて、「危害を及ぼすもの」と判断するものが半径3メートル以内に近