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短編小説

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生き物、性、死、孤独、個人的な、破滅、はじまり、終わり、流れ、架空、スピリチュアル、不完全な、イノセント、、、などをキーワードにした不思議な感じの短編物語
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記事一覧

短編小説・めぐるめぐる星

孤独なマコが星を巡る。命は死んで生まれて繰り返す。 やさしくて少しさみしい、おとぎ話のよ…

短編小説・ホームレスの愛人 (2/2)

金持ちだったおっちゃんと、その美しい愛人だった私。私たちは煌びやかな思い出を引きずって今…

短編小説・ホームレスの愛人 (1/2)

20年前、おっちゃんは金持ちで、私はハタチの美しいバニーガールだった。 私はおっちゃんの愛…

短編小説・ビッグウェーブ

サーファーのケンは大会を前に町を逃げ出した。 それを後悔し続けながらも新しい土地で名を成…

短編小説・シロコガネ

昆虫の生態から着想を得た短編シリーズ。その一は「シロコガネ」。 白はあらゆる色を含む色。…

短編小説・片道キップ

私は列車に乗るたびに必ず切符を無くしてしまう。 「私はあなたの希望です」と鳥が言う。 そし…

短編小説・スペースボール

「スペースボール、スペースボール、飛ぉーんだ」子供たちの歌遊びが示唆しているのは、宇宙探査機サトシとサトルの行く末。 【スペースボール】 すべての探査機には愛称が付けられていた。 宙を飛んでいるのがサトシ。 地上を這っているのがサトルだ。 二機で一組というわけではない。 彼らはむしろ敵といってもいい。 と言っても、機械に敵味方の認識はない。あくまで人間側からの見解だ。 彼らには不正侵入防御システムが組み込まれていて、「危害を及ぼすもの」と判断するものが半径3メートル以内に近

短編小説・メガネ

虐げられみじめな日々を送っていた僕は、いつしか自殺に生きる活力を見い出して行く。その日も…

短編小説・きのこガール

きのこガールは戦闘用に開発された秘密兵器だ。きのこガールは物騒なことこの上ない。ある日戦…

短編小説・私の肝臓の中の子牛

私の体の中に見つかった可愛い子牛。私はとてもうれしかった。私を裏切らない、私だけの味方。…

短編小説・展望台

二人の女の子のどちらと付き合いたいのか、ケンは悩んでいた。森の中では小鳥が愛の歌をさえず…

短編小説・長雨

雨が降ると、私はカイに会いに行く。私はお酒がやめられない。死んでしまったカイの元へ、早く…

短編小説・店

この店に入った理由が、もはや僕には分からなくなってしまった。暗闇の中、フクロウは僕をじっ…

短編小説・楽し旅行

毎年楽しみにしている夏休みの親戚旅行。でも今年のノブは気が進まない。伝染病を恐れるあまり妄想に囚われ混乱していく少女と、内面の寂しさを描くコメディー。 【楽し旅行】 明日から夏休み恒例の親戚旅行だった。 ノブは気が進まなかった。 「早く荷造りを済ませてしまいなさい」 ママにそう言われても、彼女の手は進まない。 妹のマリがノブをじっと見ている。 妹は監視役だ。 ママに何でもすぐに言いつける。 待ち合わせ場所にはすでに親戚たちが集まっていた。 子ども7人。大人11人。総勢18