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コペンハーゲンに山を

「発電所の屋根にスキー場を作って新しいランドマークに!」

2011年、コペンハーゲン南東部のごみ処理施設建て替えコンペを勝ち取ったのは、デンマークが誇る建築家ビャルケ・インゲルス率いるBIGだった。
コペンハーゲンは平地で、街を見下ろせる場所は当時なかったそうで、9年かかって完成したその施設は、今では立派な観光名所になっている。
(Googleに書き込まれているレビューも上々)

映画はドキュメンタリーで、ビャルケのインタビューを中心に、関係者がコンペを勝ち取った興奮した様子から、建物が徐々に出来上がる様子、もちろん、予算の壁が出てくるのでその苦悩などが描かれている。

50分という短い時間のせいか、予算でもめてたと思えばいきなり建物が完成していてラストはちょっともやもやしたけれど、
監督が最初から映画にしようと思っていたわけではなく、
発電所の建設サイドから、

「これ映画にしたらいいんじゃね?」

というオファーが来て、建設の様子やミーティングの映像が400時間ほど渡されたのだそう。しかも、自治体との会議や資金調達うんぬんは内容が複雑なので映画には使えなかったのだそう。
なるほど、納得。
でも、せめて、結果はキャプションで紹介してほしかったなぁ。

ちなみに、このゴミ処理施設兼スキー場のコペンヒル。

  • 完成までの歳月:9年

  • 建設費用:約5億ユーロ(1ユーロ160円として800億円)

  • 経済効果:観光収入アップ

  • 環境への配慮:年間3万世帯分の電力と7万2千世帯分の暖房用温水を供給

建設に5億ユーロ(約800億円)かかっているので費用対効果はどうなのか気になるけれど、23年度補正予算案に万博事業費750億円を計上するってニュースを聞くと、9年で800億なんて大したことない気がしてくるから不思議。万博と違って持続可能な施設だし。

来月から無職なので、再就職の前にカナダにスキーに行きたいとぼんやり思っていたけれど、コペンハーゲンでスキーをするのも悪くない。

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