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【詩】にんじん

包丁を入れる
確かな手応えとともに
ほんの少し
オレンジの汁が溢れる

にんじんを嫌いなこと知ってる
でも、今日はにんじんが食べたい

えー、にんじん入れるの?
ちょっと嫌そうに君は言った
身体にいいからねと、私は答えた
食べられないわけじゃないけどさ、君は答える

君は知らない
にんじんを食べる行為が
復讐であること

いつか私を捨てたあいつも
にんじんが嫌いだったから

君は知らない
にんじんを食べる時には
私がここにいないこと

君は知らない

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