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「情報化社会は数百年を経てなお新聞紙のモチーフで表現される」2022年1月15日の日記

・前回の1月9日の日記に書き忘れたもの。

・上野に行ったら超でっか鍋で牡蠣の味噌汁を作っていたので嬉しくなって飲みました。美味しかった。


・1月15日の日記。

・六本木の森ビルに行きました。森美術館でしばらく開催されているアナザーエナジー展に行きたくて。

・スタバのカップが一番映えない位置。スタバの死角、ここです。

・知り合いにアナザーエナジーの招待券をいただいていたし、先に行った友達からは「難しかったけど面白かったよ」との評判を聞いていたので楽しみにしていた。

・世界の女性アーティスト16人による、さまざまな形態の作品(彫刻、映像、絵画など)が展示されている。
・写真撮影は一部の作品を除いて撮影できた。


・巨大なタペストリーの作品。
・手で編み込まれた作品は、ただ単純な手の動きの記憶を持っているだけでなく、この部分にはこの絵を編み込む、といった創作の意志をも持っているように感じられて、これ自体が意志を持った生き物に感じる。

・生き物の種類としては、一見動かないけれど生きている、大木と同じような印象をわたしは受ける。

・意志をもった生き物といっても、それはこれ単体で独立した思考アルゴリズムを持つ生命ではなくて、過去の、これを編み込んでいた時に創作者が考えていた意志を延々と反芻している、そういう途切れのない時間の尊さを感じる。


・黒い芥子(けし)とタイトルのついたこの作品は、爪に糸が張られた作品で、見る向きによって表情が大きく変わる。

・「理系の人間が一生懸命解説してくれるけど自分が理解できないときのわからなさ、理路整然さ」を感じた。


・この作品はこの展覧会のポスターにも使われ、鑑賞者たちのSNS上で発信していた様子も多くみた。


・高く積まれた新聞紙、大きなゴミ箱から散らばる新聞紙、これらはなんと全て陶器でできている。

・既にヒト1人では抱えきれない量の情報が溢れているこの情報化社会。ただそれは、この陶器のように簡単に破壊できる社会でもある。

・17世紀のオランダ絵画に、歯医者と新聞紙が書かれている作品がある。歯医者は「ヤブ医者」の象徴で、その歯医者の前に置かれた新聞紙は、「(新聞紙のように)本物に似せて作られた情報は真実と見分けがつきづらいから気をつけよ」という警告を意味している。


・大量の情報、メディアの顔をして「私こそが正しい情報です」と堂々たる文面で見当違いのことを書いているメディアも少なくない現代。陶器で表すか油絵で表すかという違いはあれど、人々がメディアに対して持つ疑惑は数百年変わっていない。


・他にもたくさんの作品があり、確かに難解なものもあったけれど、全体的には十分に楽しむことができた。

・帰りに森ビルから六本木駅に向かうまでの間にあるシェイクシャックのハンバーガーを食べた。高いけどそこそこ美味しい。でも、高さの方が気になってしまうかも。


・六本木は何度来ても自分の身の丈に合う気がしない街。

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