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短歌日記

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1週間ごとに作った短歌+短文をまとめています。 2023/1/2~
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【短歌日記】これ飲みや、あったまるでとあたしからあたしに淹れるココア濃いめで 20…

2023/06/11 コーヒーに溶けて消えゆく角砂糖 午睡は私の時間を呑んだ うたの日「時」。 早…

【短歌日記】なかよしのさんにんぐみのふりしてる ふたりとひとりのひとり側で(9/10~1…

はや一カ月、更新が滞っていたひとえに怠惰のせいである。ありがちながら、言い訳は仕事。数か…

【短歌日記】「です」なんて言い切れるのはごく稀で「と思います」の連続を生く 2023…

2023/09/03 三角を2つつないで蝶とする虫の部分は無いものとする うたの日「蝶」。虫全般が…

【短歌日記】 無くなれば買い足せばいいヘアピンの一本である非正規の我 2023/08/27…

2023/08/27 豆苗は買う時少し悩みたい一週間の付き合いだから うたの日「豆」。 豆苗を塩昆…

【短歌日記】あたしの肉は何色ですか 2023/08/20-2023/08/26

2023/08/20 しゃぼん玉みたいに光る虹色の石油が混じる水たまり越ゆ うたの日「渡」。 水に…

【短歌日記】穿たれて絵を掛けてまた埋められる画廊の壁のごとき我が頬 2023/08/13-2…

2023/08/13 押入れに『蛍雪時代』ふりつもり夜食を喰らう若き父見た うたの日「蛍」。 「蛍…

【短歌日記】ヤクザらもスプシにSUMと書くだろう 2023/08/06-2023/08/12

2023/08/06 着古したMUJIシャツの襟やぶれだし有印そして悪品となる うたの日「良」。 社会人となり、服に興味を失うとともにワードローブの中身が停滞し、ちらほら10年ものの服が増えてきた。3日に1度くらい袖を通しているTシャツにふと毛玉の群れを発見し、ショックを受ける。ダサいではなくみすぼらしいのフェーズに入ってきた。やばい。 2023/08/07 ヤクザらもスプシにSUMと書くだろう わたしとおなじ血の色のひと うたの日「ヤクザ」。 ヤクザのものものしい事

【短歌日記】出し切った麦茶パックは親よりもあたしに似てる 明日はごみの日 2023/07…

2023/07/30 意味を成すあなたの声を拾おうとダイヤル1mmずつ回す夜 月末、久々に仕事らしい…

【短歌日記】触ったら泥水になる雪のごと善行と思う善行は消ゆ 2023/07/23-2023/07/2…

2023/07/23 爪の間に詰まった土が取れなくて指先だけがマンガの住人 小さい頃、マンガや絵…

【短歌日記】太陽町ハイツ202号室 1K2万日照ゼロです 2023/07/16-2023/07/22

2023/07/16 太陽町ハイツ202号室 1K2万日照ゼロです うたの日「太陽」。 「太陽」とか「光…

【短歌日記】今日帰る願掛けとして冷凍のミンチを溶かす 2023/07/09-2023/07/15

2023/07/09  その女児はブルース・リーを葬ったDVDによだれを垂らし うたの日「ブルース」…

【短歌日記】腐らせたって何者かになる 2023/07/02-2023/07/08

短歌日記を一週遅れで更新します。(前週、平日にきつめの風邪を患ってぎりぎりだったので) …

【短歌日記】ふたりともたがいを看取ることはできない 2023/06/25-2023/07/01

2023/06/25 くちづけたあなたとわたし ふたりともたがいを看取ることはできない うたの日「…

【短歌日記】用の美と言うことにしてくれまいか 2023/06/18-2023/06/24

2023/06/18 「お父さん」じゃなく「おれ」と父は言う たぶんわたしが家を出てから うたの日「俺」。 「お父さん」や「お母さん」を一番初めに自称するシーンも気になる。自発的に「お父さん/お母さん」と口に出すというよりは、周りの人々に「もうお父さん/お母さんなんだから」と言われる中で、知らぬ間に一人称も「お父さん/お母さん」に染まっていくのだろうか。今度帰省したら両親に聞いてみようと思う。 2023/06/19 踏まれつつ虚空を見てる餓鬼たちの気持ち味わう満員電車