黒柴的パンセ #7

とりあえず「3つの思考法」を身につけよう その1

「思考する」と言い続けているが、どのように「考える」のかという思考の方法を学ぶことは、重要な課題である
一冊の本が手元にあるのだが、黒柴はこの本を読んでから「考える」ということを強く意識できるようになった

2007/12/20に第1刷が発行されており、ビジネス書、自己啓発本としては「古典」になるかもしれない
詳細は、購入するなり、図書館で借りるなりして、きちんと読んでもらった方が良いので、ここでは割愛する
概要を少し示すと、この本の中では、大きく3つの思考法を示している

  1. 「結論から考える」仮説思考力

  2. 「全体から考える」フレームワーク思考力

  3. 「単純に考える」抽象化思考力

今回は、1の「結論から考える」仮説思考力について説明していく
「結論から考える」仮説思考力だが、この言葉だけだと本書が扱っているフェルミ推定のように、結論を前提とした理由付けを考えるように捉えがちだが、実際は少し異なる定義をした方が良いと思っている

黒柴は、これを「仮定的思考法」と呼び方を変えている
内容としては、「立場を変えて、考えてみる」と定義する
本書の中では、

  1. いまある情報だけで最も可能性の高い結論(仮説)を想定する

  2. その仮説を、最終目的地として強く意識する

  3. 情報の精度を上げながら検証を繰り返し、仮説を修正しつつ最終結論に至る

としている
つまりゴールとなる「仮説」を設定し、ゴールからスタートに向けて考えていくということになるため、考えるベクトルを通常「スタート⇒ゴール」となるところから「ゴール⇒スタート」と反転させるところがカギとなる

つまり視点を変えて思考するということが重要であり、例えば

  • 「現在⇒未来」ではなく、「未来⇒現在」

  • 「自分⇒相手」ではなく、「相手⇒自分」

  • 「手段⇒目的」ではなく、「目的⇒手段」

  • 「できること⇒やるべきこと」ではなく、「やるべきこと⇒できること」

となる

一見、簡単そうに見えるが、「相手⇒自分」という方向で考えることは、案外難しい
パンセ#1~4で取り上げた炎上プロジェクトに際に、エンドユーザ側の曲者PMから交代したPMを相手に、プロジェクトの進め方、立て直し方法を巡って、自社の上層部(社長、営業、PM)が何度となく提案を行っていた
ただ、いつも提案が一方的で、「この提案を行った際、相手がどう考えるか?」ということが、シミュレーションできていなかった

そのため、エンドユーザ側のPMから「提案のこの部分を見直してもらうことは可能か?」と相手の立場に立って考えれば至極当然な質問に対して、事前にシミュレーションができていないために、常に「持ち帰って、検討します」という回答を繰り返していた
最後の方には、エンドユーザ側のPMから「もっときちんと検討された提案を持ってきてください、毎回持ち帰りでは、時間がもったいないので」と釘を刺されてしまった

つまるところ、自社の上層部は今までSIerの下請けとして作業を行い、この手の提案・交渉をSIer向けに行ってきた
SIerは、下請法の関係もあり「この作業を追加で行うためには、これだけの費用がかかる」と主張すれば、いろいろと予算を工面してくれて、満額回答ではないが、比較的交渉はスムーズだった
しかし、相手がエンドユーザの場合、明確に提案のどこにどれだけ費用が掛かっており、提案を受け入れることで、進捗や品質がどのように変化するのか、また他の改善案はあるのか、など費用がかかる内容についてはすごくシビアだ

そのため「この提案を受け取ったら、相手はどう考えるか?」ということは、事前に考えておく必要があると思う
だが、普段からこういう思考を行っていないと、いきなり立場を変えて考えることは難しい

普段からやっていないことは、いざというときにできない
というのは、黒柴の座右の銘であり、そのため常に「立場を変えた仮定的な思考」を行っておく必要があると考える

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