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2014 ソングガイド100

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2014年8月の記事一覧

syrup16g「生きているよりマシさ」/嬉しいという感情



6年ぶりの再始動を果たしたsyrup16g、ニューアルバム『Hurt』からのリード曲。『MUSICA』のアルバムのレビューでは、こんなことを書いた。

(以下一部引用)

白石一文の小説『翼』に、こんな一節がある。

「小さい頃から、死は“記憶の消滅”だとずっと思ってきた」

小説の中で、主人公と上司の「人は死んだらどうなると思う?」という会話を通して、死と記憶に関しての深い洞察が語られる。こ

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田中茉裕「ゆるして (demo) 」/息を呑む曲

田中茉裕「ゆるして (demo) 」/息を呑む曲



ピアノと歌だけで、これだけ揺さぶられるとは……。

すごい曲。名曲だと思います。一人で深夜に聴いていたら、なんでかわからないけど、泣きそうになった。胸の奥底のほうまで手を突き入れて、えぐられるような感じがあった。

田中茉裕さんのことを初めて知ったのは、2年半前、2012年の冬のこと。ミニアルバムに収録されていた『小さなリンジー』という曲が、本当に素晴らしかった。

そのときのツイート。

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くるり「Liberty&Gravity」/「?」が「!」に”変”わる新曲

くるり「Liberty&Gravity」/「?」が「!」に”変”わる新曲



くるりの約2年ぶりのニューアルバム『THE PIER』 から、新曲「Liberty&Gravity」。最高。これはほんと、すごい曲ですよ……。奇想天外だし常識外れなんだけど、強烈にキャッチー。ポップソングの今までにない回路をこじ開けてしまったような曲。

というのも、この曲、普段ポップソングに求められている「わかりやすい」、つまり情報が噛み砕かれて手に取りやすい形で提供されていることから完全に

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大友良英スペシャルビッグバンド「地元に帰ろう音頭」/フェスと祭りと「地元に誇りを持つ」ということについて

大友良英スペシャルビッグバンド「地元に帰ろう音頭」/フェスと祭りと「地元に誇りを持つ」ということについて

今年のフジロックでもやってました。大友良英スペシャルビッグバンドの「地元に帰ろう音頭」。『あまちゃん』のあの曲を、20人以上の大所帯で「盆踊り」にした曲。唄は二階堂和美。踊りと振り付けは作曲者でもあるSachiko M。7月23日に出たアルバム『ええじゃないか音頭』に収録。

アルバムには、もちろん「あまちゃん音頭」も入ってます。

宮藤官九郎が連ドラを手掛け、能年玲奈はCMや映画に出演し、『あま

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BUMP OF CHICKEN「you were here」/魔法の時間はすぐ過ぎた

BUMP OF CHICKEN「you were here」/魔法の時間はすぐ過ぎた



昨日、BUMP OF CHICKENの東京ドームに行ってきました。「BUMP OF CHICKEN TOUR“WILLPOLIS 2014」のツアーファイナル。そこで、本編の最後に披露されたのが、この曲。聴けばわかる通り、ライヴで受け取った感動の余韻をそのまま閉じ込めたような曲。

行った人はわかると思うんだけど、今回のBUMP OF CHICKENのツアーは、最先端のテクノロジーと「物語」が

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