『鉄鼠の檻』に取りかかり、『三ツ星カラーズ』について熱弁し、本をたくさん買う(日記 3月15-19日)

二〇二〇年三月十五日(日)

 昼まで寝て過ごす。夕方になってようやく起動。
 こういうふうに日曜を過ごすのはよくないと思う。思うが、どう改善したものか。
 夜、有栖川有栖『新装版 マジックミラー』の続きを読む。

三月十六日(月)

 明け方、有栖川有栖『マジックミラー』読了。時刻表の挿入された長篇推理小説はあまり読んでこなかったので新鮮だった。時刻表アリバイトリックと本格ミステリを共存させるのに、なるほどこういう手があるのかと感服(読者もその気になって考えてみれば見破れるはずである。ちなみに私はわからなかった)。そこへきてさらに双子をぶち込んでくるのだから凄い。時刻表にアリバイトリック、双子トリックと盛りだくさんなのだが、すべてが過不足なく綺麗に収まっていて爽快。面白かった。
 というわけで、日中は眠くて仕方がない。そりゃそうだ。
 そしてなぜか夜になると眠れないのである。
 体内時計が狂っているのだ。

三月十七日(火)

 ――などと書いたのにまたぞろ夜更かしして京極夏彦『文庫版 鉄鼠の檻』〔講談社文庫、2001年〕を読みはじめるのだからよくない。いっそ徹夜してしまえば強引に直せるのかもしれないがそこまでの気力もなく、だから仮眠程度の眠りをとる。それでまた体内時計が狂う。悪循環である。

 眠気に抗いつつ、日中をやり過ごす。夕方になるともうふらふらである。
 買い逃していた雑誌をなんとか入手。店舗別特典のポストカードはついていないし状態も決していいとはいえないが、それでもないよりはましだ。こればっかりは発売後すぐに買わなかった自分が悪いので仕方がない。
 そのついでに鮎川哲也の本を2冊(『五つの時計 鮎川哲也短編傑作選Ⅰ』『下り〝はつかり〟 鮎川哲也短編傑作選Ⅱ』、ともに創元推理文庫、1999年)購入。『マジックミラー』の影響で時刻表トリックを用いた推理小説がにわかに気になりはじめているのだ。
 別の店に移動し、『ゆるキャン△』第10巻を購入。特典ポストカードももちろんゲット。そしてそれとは別にもう一枚ポストカードを貰う。ラッキー。

 この店ではほかに、『三ツ星カラーズ』の第1巻第2巻を買う。それぞれ特典ポストカードつきである。
 この『三ツ星カラーズ』、2018年の冬アニメで映像化されているし私もそこから入ったクチで、だからもう既にみなさんご存じかもしれず、わざわざここでおすすめするまでもないような気もするがまあいい。とにかくこれがとんでもなく面白いのだ。
 結衣、さっちゃん、琴葉の女子小学生三人で結成された「カラーズ」が上野の平和を守るため活躍する一話完結のギャグマンガで(そもそも私、一話完結ギャグマンガは大好物なのである)、このギャグがとにかく凄い。小学生特有の不条理な行動をナンセンスギャグとして取り込み見事に描き切っていて、なにをどうしたらこんな突飛なギャグが思いつくのか皆目見当がつかないのだがでもなぜか共感できるしどことなく懐かしい気持ちにもなる、そんなマンガである。ちなみに私のイチオシは、第54話「平和」(第7巻所収)です。あれはぶっとんだ回だった。

 ――と熱弁するほど好きな『三ツ星カラーズ』を、しかし私は第3巻以降しか揃えていなかったのだ。なぜ1、2巻を買わなかったかというと、それは例によってあの忌まわしき小口研磨のせいだ(詳しくは調べて戴きたいが「小口研磨」とは、本の小口〔=書物の、背の部分を除いた三方の辺:デジタル大辞泉〕を削ってしまうことである。汚れや日焼けを除去して綺麗にするためという名目で行われているが大抵の場合はむしろ美観を損ねている)。私はこの小口研磨を好まないので、本を買うときも慎重にそれを避けるし、それゆえ現物の確認ができないAmazonほか通販はほとんど利用しない。ちなみに、発売から日が経ったものほど研磨されている確率が高く、新刊書店で見つけるのが困難になる。だから欲しい本はすぐに買わなければならず、そのせいで積読がどんどん増えるのだ。
 閑話休題。
 実は今日買った『カラーズ』1、2巻も研磨本だったのだが、しかし特典ポストカードつきというのが大きかった。小口研磨とポストカードとで相殺して差し引きゼロ――ということにして自分を納得させたのである。
 ポストカードの力は強い。
 というわけで本日の収穫は、雑誌1冊に文庫が2冊、漫画3冊、そしてポストカードが4枚である。
 あまりにも眠たいので、帰宅後、早めに就寝する。

三月十八日(水)

 すると今度は早朝、というか未明に目が醒めるのである。いったいどうなってるんだ。
 しかしそのおかげで朝食をゆっくり摂れたし、余裕をもって支度ができた。そのうえ昨日買った漫画を読む時間まであった。一長一短である。
 今日は大いに進捗した。
 疲れた。
 帰宅後、軽く眠り、九時ごろに起きる。『相棒18』最終回はあとで観ることにして諸々の作業をするが、これが案に相違して遅くまでかかってしまう。こうしてまた就寝のタイミングを逃す。莫迦なのか。
 まだまだ体内時計は狂ったままだ。

三月十九日(木)

 暖かい一日。まるで春のよう。
 昨日の『相棒18』最終回「ディープフェイク・エクスペリメント」は面白かった。やっぱり輿水脚本だ、台詞のいちいちが聞いていて心地よい。今期の『相棒』は不満に思うことも多かったのだが、それがすべて浄化された。
 満足しました。
 歯医者へ行く。月に二度の恒例行事である。いつもどおり、40分ほどで終了。
 本を買う。今日買ったのは以下のもの。

 泡坂妻夫『泡坂妻夫引退公演 絡繰篇』〔新保博久編、創元推理文庫、2019年〕
 ――『泡坂妻夫引退公演 手妻篇』〔新保博久編、創元推理文庫、2019年〕
 ――『奇術探偵 曾我佳城全集 上』〔創元推理文庫、2020年〕
 ――『奇術探偵 曾我佳城全集 下』〔創元推理文庫、2020年〕
 チャンドラー、アリンガム他『短編ミステリの二百年2』〔小森収編、猪俣美江子他訳、創元推理文庫、2020年〕
 ドロシー・L・セイヤーズ『大忙しの蜜月旅行』〔猪俣美江子訳、創元推理文庫、2020年〕
 古井由吉『杳子・妻隠』〔新潮文庫、1979年〕

 たくさん買ってこれまた満足。 
 そして今日もまた早めに就寝する。いい加減直れ、体内時計。


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