今の時代からこそ、大事なクレイジーな生き方

トーゴという国を知っているでしょうか。2年ぐらい前まで「聞いたことある程度」しか知らず、地図で調べたら、(チョコレートでは有名な)ガーナの隣にある西アフリカの国であることがわかりました。

2018年の夏に、そのトーゴと京都を合わせて「化学反応」を起こそうとしている若手起業家の出会いがあったからです。

日本政府が1993年から5年毎に開催していたTICAD(アフリカ開発会議)が、アフリカ勢の要望により3年毎に、そして、初めてアフリカ大陸で2016年に開催されたTICAD VIの開催を機に、「アフリカでチャレンジする若手日本人」を応援するアフリカ起業支援コンソーシアムを、経済同友会アフリカ委員会に所属している同志らと立ち上げました。

日本から地理的にも、文化的にも、経済的にも、意識的にも距離感があるアフリカと未来志向を持って橋掛けの存在になってくれる若手たちを応援することに共感していただいた企業からの会費を財源として、彼らへ支援金を賞しているプロジェクト、entre-africa(日本AFRICA起業支援イニシアティブ)運営しています。

そのentre-africaの第三期に応募してくれたのが、トーゴで事業展開を目指していた中須俊治さんでした。

数多くの応募者の中で、中須さんのブログなどの書き込みの表現力に魅了されました。入念に積み重ねる計画性は感じませんでしたが、ハートで動く、「とりあえず、やってみよう」感が満載で、笑顔が絶えないネアカの温かみが文章や写真から広まってきます。それも、前職が地域金融機関であるという(失礼ながら)意外性に目が引かれました。

しかし、最終候補に残ったものの、事業計画性の面では選考委員会を通過するのは困難だなと思っていました。

ところが、ふたを開けてみたら、他の委員の心をしっかりと掴んでいたことがうれしい驚きでした。

それから、およそ2年の支援。やはり事業計画は色々な試行錯誤や挫折を繰り返しているようです。でも、ブログやSNSでお顔を拝見すると、笑顔が絶えていない。。。

その中須さんから「初めて本を出版するので、記念セミナーに一緒に登壇」のご依頼があったときに、ひと声で応じました。

そして、数週間前に送られてきた中須さんの作品である「Go to Togo」。たくさんの読み切れていない書籍が手元にありますが、この本はステイホーム・モードのとある午後に、一気に読んでしまいました。これは、面白い。。。

中須さんの日本とトーゴの体験が交互の章に紹介されている構成ですが、日本からトーゴへ切り替えるときの表現が素晴らしい。思わず、笑い声が出てしまうほどでした。お互いは、遠い国で訪れるのは面倒くさい、そして、生活慣習がひっくり返るほど異なる。でも、なぜか、そこには普遍性も感じる。このような現状を書籍の構成・製本によって表現するアナログ的イノベーションは、本当にあっぱれだと感じました。

是非とも、手に持って体験してください。

中須さんはトーゴでも「クレイジー」であると言われているようです。学生のときに、フランス語も現地語もわからず、トーゴに飛び込んで、ラジオ局で働いた経験もあります。言葉が通じなくても、笑顔は共通言語なんでしょう。

日本のオフィス街で働きながら「命を懸けている」「がんばっている」という声をよく聞きます。でも、そこには、あまり笑顔がない。

本当の意味で命を懸けて、がんばっている人には笑顔が絶えないのではないでしょうか。ご自身は「ただ、楽しく生きたいだけ」とおっしゃります。けど、何もしないことが楽しい生き方ではありません。特に、コロナ禍の厳しい状況で、大事なことを中須さんに教えてもらっていると感じました。

その中須さんとの出版記念セミナーをWEBがアーカイブ化されています。ぜひとも、ご笑覧ください!


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