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初心者チームでも出来た!Zoomウェビナー配信のベストプラクティスとは?(shiawase2020レポート)

コロナウイルスの影響を考慮して、4年目にして初めてのオンライン開催となったshiawase2020。
昨年の夏に実幸委員会を立ち上げて、2020年3月20日の武蔵野大学で開催すべく準備を進めてきていたものの、開催日の約1か月前までは、武蔵野大学のキャンパスに、関わる人すべてが集まって行われる予定でした。
前年も1500人ほどが参加していたshiawaseシンポジウムは、まさに大人数が一堂に会するイベントであることから、このまま会場開催することは難しいのではないかという話が2月17日の実幸委員会で出ました。そして3月3日に急遽開催された実幸委員会で、オンラインでの開催が最終的に決定されました。

* 2/17  オンライン開催へ切り替えるか検討開始
* 3/3  オンラインでの開催を正式決定(誰もやったことないのに!)
* 3/20  オンライン配信無事終了

見ての通り、開催1か月前はオンライン配信することは全く想定されていなかったshiawase2020。今回はshiawase2020を、Zoomウェビナーによるオンライン配信にて初心者チームでやり遂げた軌跡について振り返ります。

オンライン開催に向けて、ウェビナーチームが始動

オンライン開催が正式に決定されたのは3月3日でしたが、2月17日にshiawase2020の開催自体が難しいかもしれないという話が実幸委員会で出たことをうけて、いち早く動いていたのがウェビナーチームをリードしてくれていたかおりんこと、朝野かおりさんでした。昨年1500人が参加していたことを考えると、オンライン配信の方法としてはZoomミーティングよりもZoomウェビナーがよいのではないかと、2月下旬に少しずつ動き出していました。

かおりんは、Zoomウェビナーの英語によるトレーニングを受けてZoomウェビナーの概要をつかみ、3月20日当日までにウェビナーについて必要な作業をまとめてくれ、早速ウェビナーチームが立ち上がりました。

ウェビナーチームが立ち上がって早々の2月27日に、ウェビナーチームメンバーでウェビナーを体験する会を、Zoomウェビナーを使って行いました。どんな機能があるか、実際につかいながら試していきました。次に3月8日の夜に、Zoom Video Communications, Incの永瀬さんからウェビナーについてのレクチャーを受けました。
3月20日当日も、朝9時からの配信にそなえて、現地スタッフは朝8時に集合してリハーサルをしました。この日はZoomから永瀬さんにも来ていただき、強力にサポートいただいて本番のZoomウェビナー配信に臨みました。

上手くいかなかったことは?

shiawase2020がオンライン配信に変更になってから急遽結成したウェビナーチーム。Zoomミーティングを使いこなしていても、ウェビナーはみんな初心者のため、はじめから上手くできないのがむしろ当然。リハーサルで試す→修正するというサイクルを回していき、本番でもきちんとまわせればいいという姿勢で行っていました。
そこで今回は、上手くいったこと・いかなかったことという視点からではなく、1か月弱で私達初心者チームがたどり着いたベストプラクティスを、皆さんにご紹介したいと思います。

事前のリハーサルを欠かさない

これが最も大切なポイントです。
実際配信を行う現地にて、当日と同じ機材、配線、同じ人材配置で事前にリハーサルを行うことは、必須です。リハーサルの時に上手くいかなかったことをふまえて、修正を加えていきました。今回は3月20日当日のウェビナー配信会場となる有明の武蔵野大学で、3月9日と3月14日にリハーサル。3月20日当日も、朝9時からの配信にそなえて、朝8時に集合してリハーサルしています。

当日のウェビナースタッフの配置

まずはウェビナー全体をコントロールするホスト1名。そしてホストと同じ役目を果たすことのできる共同ホストもおきました。共同ホストは最低2名必要だと考えます。さらに2名のうち1名は、配信会場とは別の場所にいることが望ましいです。会場の停電など、万が一の事態にも対応できるからです。またホストは配信以外にも、必要に応じてマイクをミュートにしたり、解除したりする作業や録画開始ボタンを押すといったこともやらなければなりません。チャットにオンライン配信上の不具合についてコメントがあがってくることもあり、その内容を確認し、必要な対応をしなければなりません。共同ホストを置くことで、ホストの仕事を数人で分担することができ、うっかりミスを防ぐことができるのです。

ウェビナーの配信が視聴者からはどのように見えているのかを、現場でも確認し、不測の事態に備えられるようにしました。リハーサルの際に、デバイスによって見え方や挙動に違いがありそうだということがわかったからです。そこで、ノートパソコン、タブレット、スマートフォンの3種類のデバイスを持った一般視聴者役を当日現地に配置しました。さらに、会場外での受信状況を確認するために、自宅から参加する一般視聴者役もおきました。

視聴者とのやりとりはチャットで

視聴者にはZoom初心者が含まれるので、なるべくシンプルにするために今回はウェビナーのQ&A機能は使用せず、講演中に視聴者がチャットで参加できる機能を利用しました。チャットでのコメントを配信中に取り上げる役割の『盛り上げ要員』も配置しました。

ホストと共同ホストが講演中に、チャットをモニターし、チャット上に視聴者が書いた質問の中からいくつか選んで読み上げたり紙に書く形で、講演者であるパネリストに伝えました。
チャットのリクエスト全てに答える必要はないものの、可能な限りで臨機応変に対応するように心がけていました。
 共同ホストも、時々チャットに質問を投げかけていました。その質問に反応する視聴者同士のやりとりで、チャットも盛り上がりを見せていました。

あえて遊軍を配置する

特定の担当をもたない遊軍を配置することで、想定外の事態にも対応できるようにします。今回は、実際にホワイトボードが反射してしまうことがわかって遊軍が対処し、急遽スケッチボードを用意することができました。

アナログも積極的に活用する

ウェビナーでの配信といっても、全てをZoomウェビナーの画面で資料を共有して説明するのが必須というわけではありません。視聴者への説明用に準備していた投影資料にのっていないことでも、ホワイトボードなどを使って説明できました。
また視聴者から「出演者の名前が、ウェビナーの画面上でわかるといい」といった意見があったので、講演者の名札を紙に手書きしてつくって、講演者の前に置きました。


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遠隔パネリストとの連携

今回はアメリカからと栃木から登壇する遠隔パネリストがいらっしゃいました。遠隔パネリストとウェビナーをつないでのテストは、必ず前日までに行います。この遠隔パネリストとのウェビナーのテストで、ネットワークがWi-Fi、マイクがBluetoothだとトラブルがおこりました。このことは事前にテストしたからこそわかったことです。遠隔パネリストとウェビナーを繋ぐ際も、有線LANと有線マイクは必須です。

役割分担を明確に

リハーサルを重ねる中で、どんなことが起きるかを想定して、誰が何を担当するか明確にしてきたことが、当日のスムーズがな運営につながりました。

トラブルへの対応

何かトラブルがあっても、運営側は慌てたり動じないことも大切です。
現地スタッフの作業場所は可能な限り一カ所に集めていたため、イレギュラーが出た時の連携も取りやすく、迅速に対応することができました。

**使用機材** 

Zoomウェビナーの配信を担当するホストが使用した機材
・Let’s note RZ4(Panasonic)
※有線LAN接続

講演者であるパネリストが使用した機材
・ノートパソコン:Let’s note LV7(Panasonic) ※有線LAN接続
・Webカメラ:BRIO C1000eR(logicool)
・マイク:USBコンデンサーマイク SF-777(Yanmai)
・スピーカー:OfficeCore M2(eMeet)
・ライト:LEDリングライト 10.2インチ

ウェビナーの視聴者に基調講演がどのように見えているのかを講演者が確認できるようにするための機材
・液晶モニター:デスクトップパソコン付属21インチモニタ(Fujitsu)
・接続パソコン:Mac Book(Apple)

講演者を「カメラ目線」にする秘訣

Webカメラの位置と、ウェビナーの視聴者に基調講演がどのように見えているのかを講演者が確認できるように準備した液晶モニターの位置は、工夫しました。講演者の視線が画面に向くのにあわせて、Webカメラの位置をセットしたのです。

マイクは単一指向性のものを

マイクは接続式を使用します。マイク(Bluetooth)も試しましたが、音切れしました)。
今回は、音質を重視し、単一指向性マイクを使用しました。
聞き手の聞きやすさを意識するならば、マイクについては気にした方がよいと考えます。Zoomの永瀬さんからも、ノートパソコン内蔵のマイクは避けた方が良いとアドバイスを頂きました。

ハウリング対策

ノートパソコン内蔵のマイクやスピーカーフォン(スピーカーと集音マイクが内蔵)を使用せず、スピーカーとマイクを別々にしたことで、ハウリングの問題がでてきました。ハウリングとは、スピーカーから流れてきた音をマイクが拾い、それがまたスピーカーから流れてきて…と、ループ状態になることで生じる現象です。マイクとスピーカーの位置を調節して、今回は問題を回避しました。

LEDリングライトが講演者をきれいに見せる

運営スタッフの中から「ライトがあった方が絶対にきれいに映る」という話が上がり、自前のLEDリングライトを当日持ち寄ると3台集まりました。たしかにライトで話者を照らすときれいに映ります。

機材は有線で接続

Zoomの永瀬さんから、インターネットへの接続は、Wi-Fiではなく有線LANを利用することを強く推奨されました。映像と音声を着実に届けるために、安定性と速度の点で有線LANの方が一般的には安全だからです。

その他の注意点

・ウェビナーに入るデバイスが2台だと、ハウリングが起きるので、1台にすること。
・音量、照明のチェック。
・本番前にそれを録画してみて、視聴者にどう見えているのかを確認する。

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終わりに

ウェビナー初心者チームでも、アドバイスをうけたり、リハーサルで出た問題点を改善していくことで、無事大勢の方に講演を楽しんでもらうことができました。

私自身このレポートをまとめていく中で、Zoomウェビナーの初心者集団だったはずのウェビナーチームが試行錯誤のうえ、武蔵野大学での講演はもちろん、アメリカや栃木との中継も無事配信できたことは本当にすごいなと感じました。shiawase2020実幸委員会では「幸せファースト」がモットーでした。ウェビナーチームでも、素晴らしい講演を一人でも多くの人に届けたいという想いをメンバーそれぞれが持っていたからこそ、実現できたのだと思っています。「幸せファースト」を自然と実行に移せる素晴らしいチームメンバーとともに活動できて、本当にラッキーだったと思います。

コロナウイルスの影響で、Zoomの問い合わせが殺到している超多忙な中、サポートいただいたZoomの永瀬良さんには、どんなに感謝してもしきれません。

来年のこのイベントは、会場開催しつつオンライン配信をおこなうことになりそうです。

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武蔵野大学での開催報告
http://www.musashino-u.ac.jp/news/20200326-05.html

イベントリンク
https://shiawase2020.peatix.com/

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文:宮崎恵美子(shiawase2020ウェビナーチーム)
協力:朝野かおり・朝生容子・岡本直子・木村和郎・齋藤みずほ・
福原生恵・渡部博志  (shiawase2020ウェビナーチーム)
Special Thanks to 永瀬良さん(Zoom Video Communications, Inc)

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