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BAMBOO INCUBATOR「スタートアップの原始定款」

BAMBOO INCUBATOR「スタートアップの原始定款」

「法人を設立するときの定款ってどうやって作るの?」
「スタートアップ特有の注意点は?設立後によく問題になることは?」
「クラウド会計などで提供されている会社設立サービスを利用するときの注意点は?」
「この手の話は誰に相談したらよい?」

BAMBOO INCUBATORは、スタートアップ起業家の専門知識格差解消を目指し、起業家、エンジェル投資家、弁護士、弁理士、会計士、税理士、司法書士及び社労士のチームで運営されています。
今回は、スタートアップの会社設立時に問題となる原始定款について掘り下げていきます。
登壇者紹介(50音順)
加納 拓也
株式会社スマートラウンド取締役CPO。一橋大学卒。新卒でシンプレクスに入社し、エンジニアとして大手金融機関向けシステム導入を手掛ける。その後リクルートにてプロジェクトマネージャーとしてID・ポイント領域における数々のプロジェクトを遂行。その後FOLIOに転職し、プロダクトマネージャーとしてロボアドバイザーのグロースを牽引。MUFGグループの戦略子会社であるJapan Digital Designにて事業開発などを手がけた後、2022年にスマートラウンドに参画。
田屋 賢悟
2013年、新卒で株式会社フォトクリエイトに入社。2017年〜BizteX株式会社の1号社員としてSales及びCSの立ち上げを経験、2018年〜株式会社ユーフォリアの3号社員として入社。2社のスタートアップに立ち上げから参画。法人営業やカスタマーサポート、コミュニティ運営に従事。2023年7月にスマートラウンドに入社し、スタートアップ向けのサポートチームを立ち上げて、現在に至る。
千葉直愛(弁護士):BAMBOO INCUBATOR代表。シード、アーリー段階の起業家・スタートアップ支援を得意とする。
丸山洋一郎(司法書士):スタートアップの商業登記手続き(VCからの資本を調達する際の種類株式、ストックオプション、組織再編)を専門分野とする。
中辻 仁(公認会計士):2006年にEYに参画し、会計監査、財務デューデリジェンスなどのM&A業務に従事。その後、大阪ガス株式会社では、ガス・油田のM&Aや在外子会社の管理を担当。2016年より同社子会社のJacobi Carbons(イギリス)に出向し、決算、ファイナンス、M&A推進、事業管理などの業務に従事。帰国後は、スタートアップ2社(Baseconnect株式会社、株式会社レスタス)にジョインし、IPO業務、VCや銀行調達の業務、事業開発に従事。64億円の資金調達を達成(1社目:10億円、2社目:54億円)。
石本憲史(司法書士):「法律と資本政策で経営をデザインする」をモットーにスタートアップを支援。スタートアップ支援に特化した司法書士。

・発行済株式総数と株価をどうするか?
1株1円が多い。出資比率の調整がしやすいから。
ディープテックなど、出資金が大きい場合に懸念はないか。・・・退職金で調整、許認可が必要な事業で、一定の資本金の額が必要な場合は、出来るだけ株数を増やし過ぎないこと。増やしすぎると、株式併合などで端株が出る。上場直前だと調整が必要。

・資本金・資本準備金をどうするか?
資本準備金を計上するメリット・・・柔らかい資本金。
外部から増資するする際・・・資本準備金に計上すると、資本金の額の増加の登記申請の際の登録免許税が安くなる。日本政策銀行から中小企業として出資を受ける場合や借り入れの申込をする際の資本金要件。
資本金は登記記録に掲載され、誰でも閲覧することが出来る。・・・登記記録ベースでの見栄え。HPベースで資本準備金を記載し補うこともできる。

・発行可能株式総数をどうするか?
1,000株とか、1億株とか。資金調達の際に同時に増やせばよい。

・事業年度をどうするか?
重要。後から変更することが多い。観点が2つ。1つ目が、上場を目指す場合、監査が忙しくない時期。3月、12月を避ける。2つ目が企業の季節性。売り上げが安定する時期が分かるときは、その前。11月、12月の売上が安定する予測が出来るなら、6月決算など。
納税時期を見越す。第1期の事業年度を大きく取る、という考えも。

・株主総会の招集時期?
取締役会を設置しない株式会社であれば、3日前くらいを定款に定める。
みなし決議を活用。

・公告方法をどうするか?
設立時から電子公告を採用しているスタートアップも多い。が、5年間開示が必要なので競合企業や関係者に見られる可能性がある。電子公告は、官報・新聞広告より範囲が広い。前者は貸借対照表及び損益計算書の全部。後者はそれぞれの要旨。官報は無料で見られる。新聞公告はネット上にアップできない。上場直前まで新聞公告を利用する企業もある。費用は一番高い。官報公告より数万円~十数万円。急ぎに対応できる。

・役員任期をどうするか?
10年でもよい。解任するときの役員報酬や損害賠償を説明。実際にある。数千万円になることも。大学生の場合、卒業して仲違いすることもあるので、強めに説明。
外部から資金調達をした後、短期に変える。
取締役1名なら10年。2人以上なら1年から2年。解任は登記に記録されるので、イメージが悪くなる可能性。揉めること自体、ダメージ。
1年か2年ならどっち?・・・リスクを考えるなら1年。考え方次第。

・株式の譲渡承認機関をどうするか?
代表取締役にしている場合、上場前だと取締役会決議も求められる可能性がある。
原則、会社。
最初、株主総会、取締役会を設置したら、取締役会に変える。
エンジェル投資家が多い場合、代表取締役にしたいときもある。