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上りホーム

君に見せた初めての涙は
上りホームで乾くことはなかった
下り電車を待つ君の姿は
いつもよりも小さく感じた

離れていく距離
締め付けられる感情
決して結ばれることのない赤い糸

もう少し早く気づいていたらなんて今更そんな言い訳はしたくない

価値観の歪みから生まれた話し合いは
全ての言葉に重みがあった

「今までありがとう」

通過する上り電車
もういくつ見送っただろうか
君と一緒に過ごしたたくさんの思い出を
駅の喧騒で掻き消すことはできそうになかった

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