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フランスのレストランは正にエンターテインメントの場!

美食の国フランス。
世界三大料理の一つに入るフランス料理ですが、それを提供する本場のレストランは日本とおんなじ雰囲気なのでしょうか。

ある人は「高級な雰囲気だろうから入りにくい」と言い
又ある人は「シェフやギャルソンが居丈高な感じがして料理をゆっくり堪能出来ない!」と言う。

いえいえ、違います!

そう思ってしまうのも分かるのですが、そんなにお高く留まった感じではないので今回はフランス料理のレストランについて書いてみたいと思います。

一つのテーブルに同時に料理を運ぶギャルソン達

フランス人にとって食事をするという事は胃袋を満たすだけではなく社交の場でもあります。いつも急いでいるように見える(?)日本人のようにさ~っと料理を注文して会話もそこそこにしてお会計へではなく、アペリティフ(食前酒)の吟味から始まってオードブル→ワイン選び→メイン→チーズ→デザートまで実にゆっくりと事を運ぶのです。

ここまで30分位かかってしまうなんてこともざら。

しかもギャルソンが同じテーブルに料理を運んで来る時が同時なのです。
同じテーブルである人は料理があってある人はまだ来ていない。なんてことはあまりなく、全員の分を一斉に持ってくるのだからこれまた全部の料理を用意するのに時間がかかってしまうのです。

テーブル席はさながらエンターテインメント?!

ギャルソンたちは料理を運んで来てはい、終わり。ではなく
「お料理を楽しんでいますか?」だの
「今日のワインは如何?」だの話しかけられるため
「美味しいです」「お料理に合っていますね」などと答えなければなりません💦

そして同じテーブル席の料理のふたを2人のギャルソンが目くばせをして同時に開ける。
火を使った調理方法の場合はテーブル席でエンターテインメントさながらに火を点けてお客さんをわっと言わせる。
なんて事が行われているのです。

そもそもお客さんの回転をよくしようとは思わない?

こんな事をやっているとどんどん時間ばかりが経っていきます。
でもそんな事は一向におかまなし。
お客の方もお喋り好きなフランス人達は食後のコーヒーをこれまたゆっくりと飲みながら会話にも熱が入ります。お店側も食事が済んでいるのにまだ席を立とうとしないお客に対して空のお皿をすぐに下げてしまったりなどという事もありません。いい加減、下げてよこのお皿~とこちら側が思ってしまうぐらい(笑)
時にはギャルソンがなかなか注文を取りに来ない事もあるので、余計に時間がかかってしまうのでしょうね。

主役はお客様ではなくその店のオーナー

パリの郊外にあるフレンチレストランでの話。

ここでは70代と思われる女性オーナーが店を取り仕切っています。
一人ひとりのお客様に挨拶をして回り、常連客とは挨拶だけにとどまらずちょっとしたおしゃべりまで。
このオーナーに関して言えばお店に出て来る時のいでたちはもう女優のようにドレスアップ。お客様たちから「どんな風に見られているか」を意識しているのだとか。

この店の常連客となった私の友人夫婦には店に行くたびにシャンパンを、彼らの子供たちにはフレッシュジュースをとその都度サービスをしてくれるようになったそう。

ある時このレストランの何周年かの記念パーティに誘われた。
ちょうどその日は彼女の子供のbirthdayだったそうで会話の中にその事を言ったそう。彼女はニコニコとして「それはお祝いをしなくてはね」と答えてくれました。

パーティの時には総勢100名位の人がお店に呼ばれごったがえしていてとてもそんなお祝いなんて話は忘れているだろう・・・と友人は思ったのだそうですが、しばらくしてギャルソンたちが10名程、友人のテーブルを取り囲み子供の前で「ハッピーバースデー♪」と歌を合唱してくれ、女主人からは可愛いぬいぐるみをサプライズでプレゼントされたんだそう。

友人家族にスポットがあたり女主人から友人のファミリーに主役が移った瞬間でした。

…という事で決して敷居が高いわけではないフランスのレストラン

フランスのレストランではこのように常に演出がなされており、シェフやギャルソンは自分たちの仕事に誇りを持っている。

我々日本人も”食事をする”という事にもっと楽しむという要素を加えてもいいのかなと思う今日この頃です。

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