推しと対面するわたしの話②
前回の続き。
6.緊張の理由
まず、英語がしぬほど難しい。
日本語でもうまく自分の気持ちを伝えることができないのに、日常で使わない言語を話すということはどれほどハードルが高いことか。
先日、韓国旅行に行ったときも、仕事で何度かタイに行ったときも思っていたが、言葉が伝わらないということへの恐怖心がある。
NCT127のサイン会がおこなわれる数日前にNCT DREAMのサイン会があったが、通訳さんはいないという情報を得ていたので余計に緊張していた。
考えなくても言葉が出てくるくらい練習しようと思い、常に呟きながら生活した。
もうひとつは交通機関のこと。
2022年、遠征や旅行でどこかに出かけると8割くらいの確率で何かしらの遅延や交通麻痺に巻き込まれていたからだ。
もし集合時間に遅れた場合はいかなる理由があっても参加はできないと案内に記載があったため、何がなんでも遅れるわけにはいかなかった。
でも前泊は体力的にもしんどいので、できれば当日行きたい!!
なぜ体力を気にしているかというと、その週末のわたしは忙しかった。
東京でサイン会に参加後、すぐに大阪へ移動、夜はオリックス劇場でEXILE THE SECONDのライブ、翌日は京セラドームでStraykidsのコンサートを観ることになっていた。
そんなこんなで(どんなこんなで)、前泊以外の安心を得るため、始発で地元駅を出発することにした。
7.いざ出陣〜到着
信じられへんくらい寝れなかった。
推しに会えるという現実味のないふわふわとした高揚感、寝坊しないかという不安と緊張。
予定通り家を出ることはできたが、まだ安心はできない。
新幹線が遅れるかもしれない。まあ最悪、新横浜くらいまで行ってくれればどうにかなるだろう。
這ってでも会場まで行ってやる!!
と、思っていたのだが、なんのトラブルもなくスムーズすぎるほどスムーズに東京に到着した。
コインロッカーにキャリーケースを放り込み、会場に向かう。
これは言っていいのかわからないのでぼかすが、会場は行き慣れた場所だった。
舞台界隈のおたくをしている人ならば、みんな一度はお世話になったことがあるのではないか、という場所だった。
到着すると既に列の形成が始まっていたが、わたしは、腹が、減った。(孤独のグルメ)
カフェでしっかり朝ごはんを食べ、集合時間の30分ほど前になったので、形成された列に並んだ。
8.待機中のこと
今回は
•メンバー全員との対面サイン会
•メンバー別のサイン会
•メンバー全員とのMEET&GREET
•ヨントン(ビデオ通話)
の4種類があったのだが、順番はメンバー全員との対面サイン会に参加する人たちが最初で先に会場に入った。
列が動くだけで動悸がするほどの緊張具合で目も当てられない。心細かったが、同ペンに声をかけていいものか分からずただじっと耐えていた。なんだこの苦行は。
集合時間になるとメンバー別の列が動く。
本人確認が済み、再び会場内で整列して待機。
この時点でもう色々無理だった、疲労が。
メンバー全員との対面サイン会すらも始まっておらず、会場内で再び1時間くらい待つことになった。
立ったままひたすら緊張と疲労との戦い。
なんだこの苦行は。(2回目)
9.遂に推しと対面
メンバーごとに机が置かれており、その前に列を作って待った。
ちなみに並びは年齢順だったので、ジャニ列の向かって左はテイル、右はテヨンだった。
「ではメンバーが入場しますので拍手でお迎えくださ〜い」というスタッフさんの呼び込みで入場してくるメンバーたち。
会場内の空気が一気に華やいだ。
ジャニだ……歩いとる……手振ってはる……わろとる……かわいい……!!!!!!!
推しが存在していることに感動した。
という訳の分からないことを思うほどには興奮していたし、「かわいい」という言葉以外浮かばなくなるくらい思考が焼き切れた。
思わず周りのジャニペンのみなさんときゃあきゃあした。
そして始まるサイン会。
順番はちょうど真ん中くらい。
隣にいたジャニペンさんとお互い頑張りましょうね…!と励まし合いつつ、その時を待った。
ひとり30秒という短い時間で、あっという間に順番が来た。
専用の用紙に自分の名前をローマ字で書き、自分の順番が来たらまずはメンバーに渡すことになっていた。
わたし「Hi,JOHNNY!」
ジャニ「はーい、◯◯ちゃん〜」
ちゃん付け!!!!!!!!!!!!!
笑顔!!!!!!!!!!!
かわいい!!!!!!!!!!!!
この時点でもうダメだった。
何もかも失った。思考とか語彙とか。
辛うじて発した“I'm sorry i'm not very good at English.”(わし英語下手やねんすまん)を聞いたジャニが「かまへんで!気にせんといて!」と英語で返してくれたまでがすべてだった。
アッ……ワァッ……とちいかわになっているわたし。
笑顔で見上げているジャニ。(メンバーは座っていて自分は立っているので自然と上目遣いになっているずるいかわいい)
なかなか話し出さないわたしに痺れを切らしたのはジャニでもわたしでもなく、隣で時間をはかってくれていたスタッフオンニだった。
オンニ「日本語でいいからなんか言い!」
スマホに映し出された、過ぎていく秒数をわたしに見せながらオンニが急かす。
わたし「(伝えたかったことを日本語で言う)」
オンニ「(韓国語でジャニに伝える)」
ジャニ「僕も◯◯だよ!(にっこり)」
わたし「アア〜〜〜〜アリガトウ(泣)ウッ……エット……ワァッ……」
(言うことに詰まってオンニを見る)
オンニ「まだ時間あるて!こっち見てんと前見て!」
わたし「(英語で話すつもりだったことを日本語でジャニに向かって言う)」
オンニ「(また韓国語でジャニに伝える)」
ジャニ「わあ〜ありがとう〜僕もいつも◯◯だと思ってるからね!」
オンニ「時間です〜!」
ジャニ「またね〜ありがとう〜」
わたし「アリガトゴジャイマシタァ〜〜(泣)(泣)」
……終わった。色んな意味で。
まず、オンニには感謝しかない。
通訳さんはいないはずだったのに、まさか韓国語で全部伝えてくれるだなんて。
わたしのメサイア、オンニ。
そしてジャニである。
慌てふためいてちいかわになっていたわたしにずっと笑いかけて待っていてくれた。優しい。
返事が全部日本語だった。わたしよりずっと流暢だった。好き。
サインをしてもらったポストカードをもらい、わたしが捌けるまで1度も目をそらすことなく、ずっと手を振ってくれていた。優しい、好き。
終わってから列に戻るとジャニペンのみなさんが優しく迎えてくれた。
ひとりだったら泣いちゃったかもしれないと思う。
全員のサインが終わると最後にひとりずつ挨拶をし、メンバーたちは帰って行った。
会場を出てからジャニペンのみなさんと写真を撮ったり、感想を分かち合ったりして楽しい時間を過ごした。
結果的にわたし自身は終始残念な感じでサイン会を終えてしまったが、最終的に心に残ったのは「楽しかった」という感情だった。
実を言うと、昔からこういった接触イベが苦手で、参加したあとに必ずといっていいほど羞恥と後悔に苛まれ、その度に苦手意識を募らせていた。
だから今回も「推しに会いたいけど近くで見れればそれでいいし最初で最後」と思って参加した。
そんなわたしが「楽しかった」という気持ちでサイン会を終えることができたのは、ジャニとジャニペンのみなさんが優しかったことが大きな要因だった。本当に心から感謝の気持ちしかない。
今までもジャニのことが大好きだったけど、もっともっと好きになったし、いただいた優しさを少しでも、何かしらの形で返していきたいと思う。主に売上とかで。
楽しかったけれど、まったく後悔していないかと言われれば嘘になるし、自分の不甲斐なさを実感したので、できればリベンジしたい。
壊れるほど愛しているのに三分の一も伝わらなかった(伝えられなかった)。
喉が千切れるくらい練習して、次こそは自分の声で、言葉で、ジャニに愛を伝えたい。
というわけで、わたしと推しの初対面の話でした。
(※当たり前ですが、オンニもジャニも訛ってないです。)
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