フランスに行ってみた
先日友達に「フランスに行くんだけどオススメはある?」的なことを聞かれたような気がするので、私もフランスに行ったのがだいぶ前で記憶が薄れてきたのでこの機会にまとめてみた。
観光地より先に簡単な衣食住から。
【衣】
私は旅行先には最低限の服しか持って行かず、旅行先で捨てて荷物を減らし、その代わり購入品を詰め込んで帰ってくるような人なので、ここは割愛。
フランスに行ったのは8月だったので暑い。結構日差しがキツいので長袖も必須アイテム。
【食】
私のフランス旅行で、1位か2位を争った「来てよかったなあ」と思わせるものが食だった。(美術館と悩んだ
かなり記事の中でも長めに枠をとってしまった。でも食って大事だからね。私は食べるために旅行するというと言っても過言ではない。
私は母と知り合いの家に泊まっていたので、ほとんど外食はせずに自炊をしていた。と言っても人の家であまり豪快に調理もできないので、パンやハム、チーズとサラダ、ワイン といったものを毎日食べていた。
でもそれがめちゃくちゃ幸せだった。
こんな感じ。
食品はMonoprix(モノプリ)というチェーンスーパーで購入していた。
というか独占企業か?と思うほどフランスにはモノプリというスーパーしかなかった。
でもこのモノプリ、というかフランスは嗜好品以外はめちゃくちゃ安くて美味しい。日本だとチーズやハム、ワインなんてわりと贅沢な部類に入る(少なくとも我が家では)が、フランスでは乳製品やハムがなくてはならないものなので、日本の3分の1ほどの値段で買える。
ブルーチーズなどもピンキリだったが、たぶん1パックで300円ほどから販売していたような気がする。(日本では7、800円する)
そしてフランスと言えばフランスパン。 やっぱりフランスパンと名がつくだけあってフランスでは無くてはならないものらしく、コーヒーとかより安く買える。そして街のいたるところにパン屋がある。たしかバゲットは一本150円とかだった気がする。
オリーブも欠かせないものなのでとっても安い。大瓶買っても日本の5、6個入った小瓶と同じぐらいの値段。
野菜もモノプリで買える
日本と違って豪快に盛ってあるので「海外に来たなー」というかんじがここでする。
でも野菜は週に1、2回開催される朝市、マルシェで買う方が良いものが買えるし楽しい。
フランスには区ごとに朝市が開催されて、魚やら野菜やら雑貨を売っている。
なにもなかった高架線下に決まった曜日、時間にマルシェが出没する。
基本は1㎏の計り売り。
値段はだいたい1㎏の値段が書いてあるが、そんなに食べられないので必要な分だけ計ってもらう。
場所ごとに、オーガニック専門店が多かったり、花屋が多かったりと特色があるので、私はマルシェ巡りをするのもフランスでの楽しみ方の一つだと思う。たぶん世界の歩き方にもマルシェの開催曜日は載っていた気がするし、ネットにもあるので何曜日にどの区でマルシェが開催されるのかメモっておいてもいいかもしれない。
先程フランスは嗜好品以外は安い。と言ったが逆を言えば、外食や贅沢品はめちゃくちゃ高い。
たぶん外食ばっかりしていたらお金はあっという間に消える気がする。
ランチで2000円ぐらいだろうか。安く見積もって。
なので、すべて外食でまかなおうとするのはオススメしない。
そして、「せっかくフランスに来たんだからフランス料理のコース食べておこうか・・・」とフランス料理のディナーを食べに行ったのだが、
日本人には量が多い&こってりしすぎてもたれる。
ので良いものを食べるならランチで食べるのがオススメ。日本と違ってフランスではランチでもコースで出してくれるところが多いし、量が日本人にはちょうど良い。
「いや、そんなことしなくてもカフェで軽く済ませるからいいわ」
なんてこと考えているとカフェのフードメニューでもドリンク付きであっという間に2000円は超えるので、モノプリで買ったりパン屋さんや地元の方が行くようなマルシェに入っているお店で済ませるのが良いと思う。
サンドイッチだけでも日本のサンドイッチと違いバゲット1本に具が挟んであるタイプだしパン自体が美味しいので私はあまり飽きなかった。
食事にはメリハリをつけることが大切だと感じた。
でもチーズやパンが好きな私にとってはとっても幸せな食生活だった。
【住】
私の場合、日本人の知り合いが借りている部屋に転がり込んでいたので宿泊先としてはあまり参考にはならないかもしれない。
でも国内外問わず、「泊まる先を確保する」っていうのはめちゃくちゃ役立つので、自分の友達がいない地域の人と出会ったら仲良くなってた方が良いのは確か。
私がフランスで出会った日本人の大学生は、日本人宿に泊まっていると言ってたし、その日本人宿で友達ができて一緒にフランス巡りをするとのことだったので、一人の初心者で行く場合その方が楽しいかもしれない。
ホテル暮らしをしていないのでなんとも言えないのだが、ちょっと長めの旅行なら部屋を借りて住むことをオススメしたい。ホテルに住むのと値段も同じぐらいだし。
【観光】
食にだいぶ時間をとってしまったがここからが観光。
まずフランスと言えば芸術の都。
私は14日間の旅行で美術館に行きまくった。
そしてこの記事を読んでいただいている方はもう手遅れだと思うが、フランスには是非19歳になる前までに行っていただきたい。
なぜならパリの美術館ほとんどが18歳未満入場無料だから。
美術館に行きまくると観光代だけでもばかにならない。どうせ行くのならお金を貯めておいて大学に入った途端にでも行くことをオススメする。
そして私がフランスに行ったのは18歳最後の8月22日。19歳になる3日前だった。フランスに行ってからそのことを知ったのだが、
ゆっくり鑑賞なんてしてられない。とりあえず一通り回ってやろう。とケチな私は思った。
たぶんルーブル美術館には3回以上行った気がする。無料で出入りができると、
「ちょっと疲れちゃったから一旦出て甘いものでも食べて来よう♪」なんてリッチなことができちゃうのだ。
この制度は個人的にとてもありがたかった。なぜかと言うと、ルーブルを1日で全部見て回ってやろうなんて
無理。
ざっと見るだけでも1日がかりだし、1日中美術品を見ていると疲労がハンパない。休憩しながら数日かけて見るか、ここはじっくり見るコーナー、ここは通ってざっと見るだけのコーナー。とメリハリを付けることが疲れないコツだと思う。
ルーブル美術館以外の美術館なら、数時間あれば見て回れるかな、という印象だった。ダリやロダンの美術館も1時間ほどで見て回れる大きさだった。
日本の美術館のイメージで行くと圧巻される。建物自体がもう「城やん。」って感じである。
フランスのすごいところは、撮影OK、写生OKなところだ。撮影はおろか、ペンを取り出しただけでも注意される日本とは考えられないゆるさだ。
あの有名な作品も撮影できちゃうのだ。(ただ有名作品はやはり混んでいるので近くに行くには少し時間がかかる。)
ルーブル美術館には彫刻作品も多数あるので、私が行った時には木炭を持ってデッサンをしている人もいた。
オルセー美術館のミレー
ダリ美術館
有名な作品が並ぶ美術館もだが、現代美術館も多いパリではたまに
…なんだこれは…
と理解しがたい作品に出会うことも多々ある。
フランス語も英語も読めないと全く理解できない作品も多々あるのでどっちかはざっと読めるとだいぶ楽しめるかもしれない。
【ノートルダム大聖堂】
繊細なステンドグラスとゴシック建築を見ることができる。
教会としての目的で使う人と観光客とでエリアが別れており、観光客エリアは人が多く暗いのでスリ等に注意が必要。
私がこの時お世話になった方は敬虔なクリスチャンだったので、ここで週1回行なわれているミサに(強制的に)連れて行かれた。典型的日本人で無信仰な私は聖歌も作法も知らなかったので場違い感はすごかったが、ノートルダム大聖堂でのミサなんて観光客としては参加できないものだったので貴重な経験になった。
私にとっては観光地だったので、実際に使われているところを見ると不思議な感覚だった。
教会の掲示板や街中にはこんなかんじのポスターが貼ってあることがある。
これはコンサートの案内ですごくざっくりと日付時間場所と演奏内容が書いてある。
無料なものも多くパイプオルガンなども聴けるチャンスなのでタイミングが合えば行ってみるのもいいかもしれない。
私はアカペラとパイプオルガンのコンサートに行ったのだが、パイプオルガンでは途中から爆睡した。
アカペラはものすごい声量で寝てる暇はなかった。
物騒な連想ゲームで、スリと言えばで思い出したのだが
たぶん空港からバスで移動するなら経由することになるであろう「オペラ座」
ここは前述した通り空港からバスで一旦オペラ座で下車し、他のパリ構内へのバスに乗り換えることが多いため、たくさんの観光客が集まる。そのためスリもめちゃくちゃ多い。
私が経験したのはスリより強引で、「募金をしてください」や「署名をしてください」と言いながら四方から取り囲まれて目の前で外国語で署名をせがんで相手が???と混乱している間に後ろから財布やらをスるというものだったらしい。バッグのファスナーを開けられた時点で逃げ出したが、フランス語でもない言葉で取り囲んで来る団体に遭遇したら注意しても良いと思う。最初に着いた場所で全財産すられたのではせっかくの旅が出鼻を挫かれることになる。
【カタコンブ】
無縁仏の地下墓地。
しかし、日本のお墓を思い浮かべてか行くと、その露骨さというか雑さに驚く。
骨全部出てる……
しかも骨を積み重ねつつその骨でついでに装飾までしちゃっている。
これで「墓」ということらしい。
骨が壁のようになっており、通路すべてが骨で囲まれている。たまにハートだったりに配置されている茶目っ気さというか、文化の違いの恐ろしさを感じる。
フランス中心部にあった墓地を移転させたものらしいがもともと土葬だったため骨が大量に出て来たらしい。
地下ということもあり暗く冷たい。
日本人には人気が無いらしく(ないだろうなあ)どのガイドブックにも小さくしか載っておらず日本人も見かけなかった。
しかし並ぶぐらい人気なスポットではあるようなので、ちょっと変なところに行きたい人には是非行って欲しい。
【カフェ・デ・ドゥ・ムーラン】
映画「アメリ」に登場するカフェ。
アメリが好きな私としてはここは1回行ってみたかったので唯一事前に調べて入ったカフェだ。
ただ店もアメリのゴリ押し感がすごかったので少し萎えた記憶がある。オススメされるとちょっと冷める。サブカル女なんてそんなもんだ。
行ったからにはちゃんとクレームブリュレも食べて来た。
濃厚なクリームとばりっとした苦めのカラメル。映画を見て思い描いていたものそのものだった。
スプーンでカラメルを割る映画のような楽しみもできる。
ただ甘党ではない私には甘かったが雰囲気は味わえた。
【パリ自然史博物館】
ここが私の中で一番行ってほしい場所かもしれない。
とくにその中の建物一番手前にある、古生物学比較解剖学展示館には是非行ってほしい。サブカル好きとしては。
しかしここで私のデジカメバッテリーが力尽きて写真を載せられないのが残念だ。
今のネットを駆使して是非見ていただきたい。
(フランスに旅行に行く人には私のように変圧器を忘れて持って来た充電器がすべて無駄になるというへまをしないように呼びかけたい。)
古生物学比較解剖学展示館は体育館のような館内に動物の骨格標本が所狭しと並べられている。
鯨などの大型動物からひよこやカエルの骨まで、とにかく骨がある動物の骨は大抵あるんじゃなかろうか。というぐらいある。
そして一角にはホルマリン漬けもある。動物の奇形児や舌だけなんかが展示してある、頭のおかしいコーナーもある。
綺麗なものやキラキラしたものに疲れた私のように暗い人間は、カタコンブや骨格標本などで是非癒やされてほしい。
植物園と動物園もあり、庭もとても広い。
日本風のような、中華風のような、おそらくイメージだけで作られたのであろう日本庭園も見ることができる。
【街中】
パリの街中ではいたるところでアートに触れることができる。
正統派ではないアウトサイダーなアートも街にあふれている。
落書きもその一つだ。
ストリートミュージシャンもいたるところにいる。
パリでの主な移動手段はメトロ(地下鉄)になるのだが、音楽を流したラジカセを抱えカラオケで歌を披露しながら地下鉄車内に入って来る人になんかは一日何回か遭遇したりする。(一駅分で歌い終わって次の駅で次の車両に行っているらしい。)
写真のようにチェロやバイオリンを演奏する人や、大きな美術館付近だったりするとバンド編成で演奏を披露している方達もいる。
特に車内に入って来るタイプの人は、こちらが日本人だとわかると日本の歌を歌ってくれたりとサービス精神も旺盛なのだが、人によっては強制的にチップを要求してきたりするので、気に入ったら目を合わせてチップを渡すのがもちろん良いのだが おう… と思ったらしらーっと聴いてないようなふりをするのがいいようだ。(地元の人達はそこに人などいないように下を向いているようだ。)
もちろん素敵な人達もたくさんいるので、チップ用の小銭を貯めておく小銭入れを用意しておくといいかもしれない。
【蚤の市】
パリでは
ヴァンヴ モントルイユ クリニャンクール の3大蚤の市がある。
簡単に説明すると
『ヴァンヴ』 日本のフリマちっくな小規模で家庭的な蚤の市。私が行ったときは小さなレースや布、アクセサリーや食器やレコードなどの雑貨が多かった 私と母は軽装で旅行で来ているにも関わらずルクルーゼ風の重い鍋とでかいミルクポットを買ったので後で持ち運びにとても苦労した。
『モントルイユ』 わりと治安が悪い。ガラクタから家電部品やらテントでこまごましたものが売っている。古着も山積みになっているので安く掘り出し物が見つけられる。
『クリニャンクール』 ここが一番有名な蚤の市。といっても他の場所とは違い、ほとんど店舗になっている。街ひとつが蚤の市といったかんじだ。
家具、アンティーク小物やボタン、タッセルなど服飾雑貨などが多かった気がする。バイヤーの人達が多かった。とにかくお店も多いしフランスらしいものがたくさんあるので、どこの蚤の市に行こうか迷ったりしたらとりあえず行ってみるといいかもしれない。
【お土産】
お土産物はお土産屋さんがたっくさんあるのだが、あまりにもPARISと書いてあるとか、エッフェル塔が書いてあるとかのお土産が嫌だな…と思った方は前述したモノプリで買うのがオススメだ。
スーパーと侮るべからず。モノプリにはアクセサリーやコスメも売っているし、お菓子や可愛いパッケージのジャムなども大量に売っているので女の子にも良いし、甘党では無い人向きに、レバーペーストの瓶詰めやサラミなども売っている。そして土産物屋で買うよりも圧倒的に安いので私はここで一通り買ってしまうことをおすすめする。
【終わりに】
長くなってしまったが、
フランスは時間を楽しむことができる
そんな場所だと個人的に思う。
日本にいると夕陽を見ながらワインを飲んでいる人を見たり、公園で昼寝している人を見かけることはそうはないだろう。フランス、パリは街の人達がそれを楽しんでいる。天気がいい日はお店が急に休みになったりする(お店の人が天気を楽しむために)
そんな余裕がパリにはある。
実際住んでみると違うのかもしれないが、私はその旅行でそう感じた。
ゆったりとした時間を味わいたい人は是非一度は行ってみてほしい。
一般的観光地なんてネットで検索すればいくらでも出るので、この記事では私の視点、ガイドブックでオススメされていなくても私なりに紹介したいパリを書いてみた。少しでも誰かの参考になれば幸いだ。