クビ寸前

  おはようございます!奈良町です!
 早速ですが皆さん働いていますか?僕は働いてます。バイトですが。まぁ働いています。でもクビ寸前です。というか今日あと一歩でクビだと言い渡されました!いや~、今のバイト先に努めて約二年。僕としては一生懸命頑張ってきたつもりでしたがクビっすか。まぁしょうがないか。思い返してみればそんなに頑張ってもなかったしな。今日のバイトであった出来事を書きます。

 まず僕のバイト先を言っていませんでしたね。映画館です。勤め始めた理由は映画が好きだからっていう単純なもんです。「好き」の原動力は意外と長持ちしないとはよく言ったもので、実際僕も変わらず映画は好きですが職場のことは好きじゃありません。
 僕は今日映画館のコンセッションというところに配属されました。コンセッションというのは飲み物とかポップコーンを打ってる売店みたいなところですね。ちなみに僕は二年弱務めているだけあって映画館のすべての部署を担当できるんですよ。仕事の精度の話は今は置いておきましょう。時間帯は午後の部ですね。正午から閉店までの間です。この時間帯は調理器具とかの片づけがあったりしてそこそこめんどくさいのです。
 今日は午前の部の人がある程度仕事を済ませていてくれて、中でも屈指のめんどくささを誇るポップコーンを作るマシーンの片づけをすでに終わらせていてくれました。これはかなりデカい。これだけで心的負担はぐっと軽減されます。ポップコーンは劇場のマネージャーが指定した量を作れば片づけてもよいものだったので、指定の分は作り終えてもうマシーンはきれいな状態でした。午前の部の人員が二人で午後は僕一人だけだったことは不毛ですがまぁいいでしょう。

 問題の午後3時。今週は某人気アニメ作品の劇場版が大人気で平日にしては多くのお客さんが来ていました。そしてみんなポップコーンを買うに買う。マネージャーが指定していた量のポップコーンは見る見るうちに減っていきます。残量がほとんどなくなった時点で僕はさすがにまずいのではと思いマネージャーに追加を作るべきか相談しました。結果、きれいに掃除されたマシーンを起動し、大急ぎでポップコーンを作りました。

 何とか間に合う量を作り終わってひと段落。僕がマシーンを片付けようとするとマネージャーから声がかかります。ポップコーンが売り切れそうだった時間を問われた後、なぜか支配人が僕を呼んでいるとのことだったので従業員室に向かいました。支配人に呼ばれるときにロクなことは起きないので僕はこの時点で100%説教だろうなと確信していました。案の定説教でした。

 支配人は重い口調でポップコーンが売り切れそうだった時間帯をきいた後、「なぜもっと早いうちに追加を作らなかったのか」「確かに作る量はマネージャーが指定するが現場の判断でいくらでも作れる余地はあったろう」と説教し始めました。マネージャーの予測能力のなさを棚に上げ、バイトに責任を押し付けるこの非道。なんだよ、あまりで廃棄出したら出したで文句言うくせに。僕はそんな風に言い返す度胸などないので情けなくもはいはいと返事を返すばかりでした。その後も「売り切れと言って売るのを拒んだりしなかったか」などと聞かれました。拒みはしませんでしたが在庫がないので他の味ならお出しできますと違う味のポップコーンを渡したのはありましたと正直に答えたら、「自分が求めてたものと違うのを出された店にお前は行きたいと思うのか?」とこれまた説教が支配人の口から飛んできます。極論すぎるだろ。バカか。売り切れだったらしょうがねぇだろ。今までの人生でいくらでもあるわ、売り切れでほしいものが買えなかったことなんて。そのたびに「もうそんな店に行くもんか!」とキレたことなんて一回もねぇわ。ガキじゃないんだから。それで代わりのもの買うなんて十分にあるだろ。そもそも映画館は映画見るところだろ。僕はコンビニでほしいホットスナックがショーケースの中になかったからと言ってそのコンビニを嫌いになったりしません。あなたと違って。しまいには「店に損失を出すような従業員をこれからも雇っていけない」なんてほざきやがるんです。いや損失出してないんですけど。実際に売るのを拒んだことなんて一回もないしポップコーンだってちゃんと追加を作ったんですが。なんで僕怒られてんすかね。最後には「もう次はないから」ですよ。クビの一歩手前。一寸先はクビ状態に突入したわけです。

 冷静に考えたら僕のしたことって、①たった一人で午後の部の売店担当を任せられる。②作ってあるポップコーンが少ないことに気づく。③むやみに廃棄を出さないためにマネージャーに追加を作るべきか相談する。④作れと言われる。⑤片づけるのにかなりの時間と労力を要するマシーンを起動し追加のポップコーンを作る。⑥説教される。⑦ポップコーンマシーンを片付ける。⑧一日の締め作業をする。⑨この間、忙しすぎたので決められた休憩時間を消化できていない。
 理不尽じゃない?ていうか僕かなり頑張ってない?本当に糾弾されるべきは作る量を指定したマネージャーor少ない量を作ったままマシーンを片付けた午前の部の従業員じゃない?なんでその罪を僕が一身に背負ってクビにされかけなきゃいけないんですか?ほんとにクビにすべきは予測能力がサル以下のマネージャーのほうだろ。何度も言いますがあいつらは余らせたら余らせたで「廃棄を出すなんてお前らはたるんでる」と僕たちに責任を擦り付ける最悪のクズですよ。最低賃金で働かせてるくせに偉そうにすんな。いくら売っても給料上げねぇだろ。余らせても売り切ってもダメ。このカスみたいな矛盾を起こしていることをマネージャーたちは自覚してんすかね。
 そんでそっからはくどくどと尋問じみたことをしてくるわけですよ。よくわからん数字の書いてある紙を見せてきて「今日は昨日に比べて動員も少なくてこの時間帯はそんなにお客さんも来てないんだけどなんで今日はポップコーンが売り切れてるの?」とか聞いてくるんですよ。知らねぇよ。僕が食ったとでも言いたいのか。実際売れてるから在庫なくなってんだろうが。この事態を予測できなかったお前らのミスだろ。それからも「なんでもっと早く作り始めなかったの?」とか「もし売切れたらお客さんになんて説明するつもりだったの?」とかずっと聞いてくるんです。何度も言いますが僕は”ちゃんと追加のポップコーンを作った”んですよ。決して注文を断ったり売り切れだからという理由でキャンセルなんて一回もさせなかったんですよ。なのにあいつらは僕が諸悪の根源だとばかりに責め立てるのです。僕はこの一連の出来事のせいで帰るのが1時間も遅れたというのに。誰に感謝されるでもなく言い渡されたのはニアクビ宣言だけです(ニアクビ宣言・・・クビまであと一歩だと言い渡されること)。

 もう書いているうちにまたふつふつと怒りがわいてきました。そもそもお前ら、映画のプロモーションセットが思うように売れないからって「数量限定だということを強調して購買意欲をかきたてろ」とか言ってたじゃねぇか。それなのに売り切れたら売り切れたで文句言うって、どっちのスタンスなんだよ。しょうもないデータ持ち出して「この時間帯はバター醤油味のポップコーンばかりが出ているんだけどなんでこの時点では売り切れてなかったの?」とかいちいちきいてくんじゃねぇ。こっちは時間なんて把握してねぇし、そもそもそのお粗末なデータのせいでお前らの予測が外れてこんな状況になってんだよ。ていうかもっと従業員増やせ。なんで午前は二人で午後は一人なんだよ。午後のほうが片づけとかやるべきタスクが多いんですけど。そのうえさらに仕事増やされたらたまったもんじゃないですよ。ただでさえ休憩時間を消化できていないのに。俺をクビにする前に無能なお前らがクビを切られるのが先だろ。そもそもポップコーンの一つや二つ売れないからって立ちいかなくなるような経営状況に難があるだろ。やっぱり経営者が無能だとダメですね。

 いやまぁ、確かに僕は優秀なスタッフではなかったですよ。仕事覚えも悪いし融通は利かないし。それでもこの二年間は何とか頑張ってやってきたんですよ。優秀ではないにしても普通くらいの能力は持っていたと思うんですよ。同期が何人もやめても残り続け、繁忙期には何度も出勤しました。その結果がこれですか。

 まぁでも、支配人としても僕を辞めさせる理由が欲しかったんでしょうね。最近は偶然にも最悪なことばかり続きました。遅刻し(5分)、レジでは謎の誤差が発生し(約一万円。お金を抜いたりは誓ってしていない)、僕の印象が最悪だったことは確実でしょう。でもそれもここ一週間に立て続けに起こりました。僕は半年間で誤差を出したことはなかったのに。4連勤させられた疲れ故かもしれません。神がもうこんな職場辞めろと言っているのかもしれません。

 でも、逆に気分が楽になりましたよ。どうせもうワンミスで問答無用にクビです。どうせクビになるのならば気楽にやりましょう。ここを追い出されたら人生たちいかなくなるわけではありません。もっと給料のいいバイトはたくさんありますし、僕もまだ若いのでこれからもっとチャンスはあります。映画館のマネージャーたちはそうではないからイライラしているのでしょう。人生に余裕がないからくそみたいな予測をするしその責任をバイトに擦り付けるのでしょう。いずれ地獄に落ちるとは知らずに。これからはどんどん気楽に仕事していきましょう。どうせ仕事が遅い奴だと思われているので、じっくりと掃除をやって予定終了時間をオーバーして余計に給料をもらいましょう。どうせクビになるのだから接客も堂々とやりましょう。クレームもどんとこいです。食品の在庫もどんどん消化しましょう。だって売切れたら文句言われるし。廃棄になったら?そんなの知りません。スタッフを大事にしない職場をスタッフが大事にする必要はないのですから。
 そういう意味では感謝してますよ。僕に広い視野を持たせてくれたことと世の中には信じられないくらいのバカが運営している会社もあるんだってことを教えてくれたんですから。全員地獄に落ちればいいとは思うけど。

 文句と愚痴を書いていたらすでに4,000字を超えてしまいました。大学のレポートは全く筆が進まないのにこういうネガティブな感情はすらすらと出てくるものですね。

 石川啄木が詠んだ句にこんなのがあります
『一度でも 我に頭を 下げさせし 
        人みな死ねと いのりてしこと』

 こんなにも素晴らしい句があるでしょうか。この句を今日僕に説教してきたサルどもに送り付けてやりたいです。この屈辱を糧にした「絶対に許さないマインド」を持ち続けながらこれからの人生頑張って生きていきたいと思います!

さよなら!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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