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生き物と機械の根本的な差、エリートAIとはぐれものAI

僕は人工知能と人工生命を研究している。
いつも食べ物とオーディオのことしか考えていないように見えるかもしれないが、実は僕は研究者なのだ。研究者というのは、何かを研究していれば名乗って良い(多分)。

人工知能とは、「知能っぽいものを機械で作ろうとする研究」であり、人工生命とは「生命っぽいものを機械で作ろうとする研究」であることから両者は双子の兄弟のように似ているが、実際には全然違う研究分野である。

パッと見てわかりやすい違いは、人工知能の研究では通常、AIは単独または二つか三つくらいしか出てこない。

人工生命の研究では、人工生命はうじゃうじゃ出てくる。最低でも10体くらい、多い時は数万体になる。数が増えると、人工生命同士の中である種の社会性のようなものが生まれてくる。

つまり、人工知能は一人の患者を対象とした医学っぽく、人工生命は複数の生命を対象とした社会学っぽい。いや、医学も社会学もよく知らないからあってるのか分からないが。

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