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これぞ「神」の一冊、カイエソバージュ合本版

神とは何か?

これは永遠の問いでありながら、実のところ神について制約なしに真面目に研究できる文化圏は地球上で数少ない。

普通は宗教的な制約を受けるので「神はいつ生まれたか」とか「神はそもそも存在するのか」という問いかけ自体がタブーとされる場合もある。

そもそも「宗教の発生」プロセスそのものが真面目に議論できる環境は少ない。これは日本人の大半が宗教的制約から、ある意味で自由であり、ハロウィンとクリスマスと盆と正月を等しくめでたいと祝えるノーテンキな民族であるからこそとも言える。

神話の発生から、神の発明、そして宗教の成立と、人類と文化を最古の起源から描き出す中沢新一先生のベストセラー「カイエソバージュ」はその内容の凄まじさから一躍話題になり、僕も夢中になって読んだのだが、何せシリーズ5巻で1000ページを超える超大作であるため、どうしても全部持ち歩くというわけにはいかなかった。

それがなんと、Kindleで、しかも一冊の合本という形でいつでもどこでもカイエソバージュの世界に飛び込むことができるというのは朗報という他ない。

というか2010年にKindle版でていたのか。10年気づかなかったのかよ、と思わなくもないが、とにかく見つけたら興奮してしまったのでご紹介したい。

元々は「人類最古の哲学」「熊から王へ」「愛と経済のロゴス」「神の発明」「対称性人類学」の五冊のシリーズだったものが一冊の剛本に。そしてKindleになったのである。

20代で読んだ本の中で僕が最も影響を受けたシリーズと言っても過言ではないカイエソバージュ。もし未読の方がいたら梅雨の読書にお勧めです。