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学生起業で絶対に失敗しない方法

iUの中村伊知哉先生が、「うちの学生の目標は起業率100%だが大半が就職してしまった」と嘆いていらしたので、「学生起業は基本的に失敗しないように教育することができる」という話をして、「そんな方法があるなら教えてくれ」と言われたのだがしばらく書くのを忘れていた。今日は暑くて出かけたくないので書く。


学生起業すべき理由

大学の授業は大半が意義がよくわからない。なんのために学ぶのか、それが社会でなんの役に立つのかわからない。当たり前である。社会に出たことがないんだから。だから僕は、18歳で(起業に限らず)働いて、20歳くらいで大学に入学するのをお勧めする。授業の有り難みがまるで違う。二浪してる人なんか沢山いるし。

ただまあ、18歳で働き口を探すのも大変だという話はあるだろうから、親の脛を齧れる学生時代に起業しておくことを強くお勧めする。

なぜ学生起業を勧めるか?

1.社会の仕組みに触れることができる
2.会社に頼らない生き方を知ることができる
3.親の脛を齧れることで、リスクを最小化できる

僕は以前は安易に起業しろと言う人に反対する立場をとっていた。なぜなら、起業とは綺麗事ではないからである。残酷なまでに社会の真実と向き合わなければならない。ここでは到底書けないような恐ろしい敵とも戦わなければならない。そしてどの道、無傷では済まない。

一説によると3年以内に50%の会社が事業を停止し、5年以内に75%がなくなり、10年以内に99%の会社がなくなる。

ただ、これは、昭和から平成にかけた時代の話である。
なぜこんなに多産多死かといえば、会社・・・というよりも事業を継続するノウハウを全く持たず、訓練も受けずに起業するからだ。お手本となるものもなく、師と呼べる存在もいない状態で起業するのは自殺行為に近い。だからかつて僕は会社員経験を積んでから起業することをお勧めしていた。

しかし、それは今は正しいとは言えなくなってきた。
というのは、会社員経験を積む理由は、会社員の気持ちになれて、師匠とよべるロールモデルに触れ合うことができるからだった。しかし、今や、社会は、会社員をどんどん必要としなくなっていく。会社員の仕事のうち特にホワイトカラーと呼ばれる人の仕事はどんどんなくなる。僕は今年に入って既に3社の設立に関わったが、いずれも社員は一人もいない。社員は最大のコストであり、社員をなくすことで会社は「事業」という目標に集中できる。

これからの「起業」はAIを活用することを大前提として、「社員ゼロ」の会社を目指すべきだ。

こうすると、途端に萎える人もいると思う。そう、「起業したい」という人の中には、大勢の社員に囲まれてチヤホヤされたいというのが「真の起業理由」の人が相当数存在する。これが僕が「起業を無闇に勧めない」主な理由でもあった。

昔、僕に面と向かって、「俺はモテないから社長くらいしないと彼女ができないと思うんだ」と言ってくる奴がいて本当に社長になった。しかしヤツが社長になっても、彼女はちっともできなかった。当たり前だ。肩書きが恋人の絶対条件だとすれば、「知らない零細企業の社長」より、「有名企業の平社員」の方がよほど魅力的である。

今の時代、就職活動のみに人生を一本足打法で賭けるべきではない。
起業して生き残る術を知っておけば、仮に就職に失敗しても起業するという選択肢がある。就職なんていうのは、起業のついでにやるようなものだ。

ではどうすれば学生起業で失敗しないようにできるか、その方法を述べる。
まず大原則を言う。

社員は雇わない

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