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超過死亡の調査において判明したこと

はじめに

コロナパンデミックも3年目の秋を迎えました。

当サイトでは、
自治体や厚生労働省が公表している「死亡数」に基づいて、
これまで2年と半年あまりの間、
自治体ごとの超過死亡の調査を行って参りました。

「死亡数」のほぼ確定数が掲載されるという
厚生労働省の「人口動態 概数」も
本年の4月分までがすでに公表されており、↓

厚生労働省の人口動態(概数)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html

感染の拡大(とりわけコロナ死)と、超過死亡の増加には
ある程度の相関関係があることが判明しています。

そのことを示した推移グラフを以下に示すとともに、↓
各年各月にあったおもな出来事をふまえながら
これまでの調査で得られた結果について
手短にまとめてみようかと思います。

相関関係のまとめ
https://ariradne.web.fc2.com/corona/MHLW/correlation/index.html

新型コロナウィルスの年表(簡略版)もくじ
https://ariradne.web.fc2.com/corona/chronicle/index.html

2020年(令和2年)

コロナ死との相関  人口動態概数(令和2年)より

コロナパンデミックの初年です。

超過死亡は、ご覧になってわかるように、
月によっては実は出ていたんですが、
死亡数が大きく減少した月があったことから、
合算すると、マイナス超過になってしまいました。

この原因については、
死因別のグラフをご覧になるとわかるんですが、
インフルエンザであるだとか、伝染病、
ぜんそくなどの呼吸器系の疾患といった
自粛や予防によると思われる死因が
一年を通して大きく減っていました。

とりわけ大きく減っていたのが、
1回目の「宣言」が出された直後の5月で、
これが年間値を大きく引き下げました。

2021年(令和3年)

コロナ死との相関  人口動態概数(令和3年)より

コロナパンデミックの2年目です。

年明けとともに、感染者数が急増し、
お正月が明けて7日から
2回目の「宣言」が出されました。

その目玉とも言える対策が
時短営業」の要請でした。

これは都道府県知事が、
飲食店に対して「時短営業」の要請を出し、
それに応じる代わりに
多額の「協力金」を支払うというものです。

(これには効果を疑問視する声もあり、
夏の第5波では、
対象を百貨店などにも拡大させた
休業要請が出されました。)

また、1月の末頃からは、
この年を代表する変異ウィルスである「デルタ株」が広まり始め、
その感染力の強さと病毒性の強さから、
春と夏に大きな感染の波が日本中を襲いました。(第4波、第5波)

このとき、とりわけ死亡者が多かったのが関西であり、
自宅療養者が多いことから、病床の削減に努めてきた
おおさか維新の会を批判する声が高まりました。

最近になって公表された確定値によると、
全国で突出して超過していたのは神戸市でした。

また、5月からはワクチンの接種が本格的に始まり、
その一方で、ワクチンの危険性を主張するために
超過死亡を利用する人たちが現れ始めました。

これについては、
別途、質問コーナーで解説していますが、↓

質問6.超過死亡はワクチン死なんじゃないですか?
https://note.com/sheltem/n/n4fbdd17fc71c

年齢別の死亡超過であるだとか、
都道府県別、自治体別の死亡超過の分布をご覧になれば、
その大部分は、感染の拡大に何らかの影響を受けたものであり、
全国でほぼ均衡しているワクチンの接種回数とは無関係であることが、
ひと目見てお判り頂けることなのではないかと思います。

2022年(令和4年)

コロナ死との相関  人口動態概数(令和4年)より
コロナ死との相関  人口動態速報(令和4年)より

コロナパンデミック、絶望の3年目です。

感染対策では何かと評判のよくなかった菅・二階内閣は
昨年の衆院選を前に退陣していて、
公明党とは距離のある岸田内閣にバトンタッチしていました。

この年を代表する変異ウィルスは「オミクロン株」です。

前評判では、感染力は非常に強いものの、
病毒性はほぼないとされていたことから、
早めに感染して、自然免疫を獲得しょう
と呼びかける人たちが大勢いました。

昨年末から始まった入国制限病床の大量確保
PCR検査の無料化などは、
海外ですでに広がり始めていた
このオミクロン株への対応でした。

日本国内では、
年初からオミクロン株の流行が始まりましたが、
この時は「まん防」は行ったものの、
「宣言」は出されませんでした。

この時は、過去最多となる死亡者が出ましたが、
それでも参院選は、与党の大勝で終わりました。

その直後に始まった夏の第7波では
B.A5」という亜種が流行し、
また、ワクチンの接種率も
あまり進んでいなかったのですが、
「まん防」も行われませんでした。

そして、夏が終わり、
多くの自治体で無料PCR検査が終了を迎えると、
岸田内閣の感染対策は、
これまでとは真逆の方向へと
大きく転換していくことになります。↓

いま必要なのはカルト全般への対策と、感染拡大への対策
https://note.com/sheltem/n/n87440a8f31e0?magazine_key=m1b56606c5e49

これについては参院選後、
安倍晋三暗殺事件を受けて始まった統一教会問題への批判報道や、
国葬への反対運動など、感染対策以外の問題が持ち上がったことで、
支持率」が急落したことが関係していると考えられます。

まとめ


相関を示すグラフ
に目を転じますと、
当年のものは、高い相関を示しています。

これには、PCR検査を無料にしていたことと、
オミクロン株の流行によって
感染者数が大幅に増えたことが
関係していると考えられます。

2020年のグラフを見ると、
捉えきれていない波があったようです。

(10月は、自殺が多かったんですが、
それだけでは計算が合わないような気がします。↓)

10月の自殺者数の推移 (厚生労働省の人「口動態 概数」より)

2021年のグラフは、
波は捉えきれていましたが、
出足の遅さと、逃げ足の早さ
目立つ形となっていたように思います。

PCR検査に関しては、
無料の検査を広島県が積極的に行って来ており、
その効果を示すかのように
超過死亡は低く抑えられていたようです。

その他の都道府県においても、
感染対策に後ろ向きなところと、そうでないところとでは、
超過死亡にハッキリとした差が見られました。


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