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いま全死因死亡数で超過死亡を集計することの意義

コロナパンデミックも
早いもので3年目の夏を迎えました。

今年に入ってからは、
重症化率が低いとされるオミクロン株に置き換わったことや、
ロシアによるウクライナ侵攻などが起きたこともあって、
感染拡大を心配する声は、やや薄らいだかのように思えましたが、
私たちは今また第7派の渦中にあり、
依然として大勢の方が、この病に苦しめられています。

言うまでもないことですが、
いま最も必要なことは、この感染拡大を止めることです。

そのためには、
感染状況をなるべく正確に把握することが不可欠ですが、
残念ながら、我が国の検査体制では、それは困難であるようです。

みなさんもよくご存知のように、
厚労省が毎日発表している「新規陽性者数」は
実際の感染者全体のごく一部に過ぎません。

若い人たちは、免疫が強いため、症状が出にくく、
そのため、通常はPCR検査を受けることがないためです。

そこで、私が着目したのが、
各自治体が月ごとに発表している「死亡数」でした。

これは「死亡届」に基づくものであり、
これをもし届け出ないでいると、年金法で逮捕されてしまうため、
ほぼ全数が把握されているのです。

これを使って、分布図を書けば、
ハザードマップとして活用することができて、
感染を少しでも食い止めることができるはずです。

しかし、ここにはいくつかの問題がありました。

問題の一つ目は、発表が遅いことです。

早いところだと、日立市や伊丹市など、
ほぼ翌月のはじめに発表される自治体もありますが、
大阪市や神戸市といった注目の自治体が発表されるのは
翌月の15日ごろであり、半月ほど遅れてしまいます。

しかしこれについては、
書いていて気づいたことですが、
死亡数の増加は、数ヶ月ほどの間、同じ自治体で続くことがあり、
少しでも多くの方が、こうした増えている自治体を避けることで、
感染の拡大を抑えることができるはずです。

次に、問題の2つ目は、
集計もれによる誤差の問題です。

実はこの自治体の発表している死亡数は暫定値であり、
これを過去の死亡数と比較しても、
正確に超過していると算定することはできません。

しかし、これも実際に書き始めてみてわかったのですが、
集計もれの誤差を軽く上回るほどの
10%、20%を超えるような大きな死亡超過が、
ひんぱんに出ることがわかりました。

念のため、この集計もれによる誤差については、
人口動態速報が発表された時点で計算をして
お伝えしています。

また、自殺者数についても、
警察庁が毎月発表している暫定値から
超過分を算定してお伝えしています。

またさらに、人口の増減による誤差についても、
変動の大きな4つの都道府県で、これも参考までに
補正を加えたデータをお伝えしていますが、
いずれも、大きな誤差が出ることはありません。

こうしたことから、これは使えるかもしれないと、
ある程度の確信を得た私は、2020年の4月頃から
この統計を取りはじめ、
分布図とともに毎月、公表を続けています。↓

https://ariradne.web.fc2.com/corona/state_list.html

一般の方が、超過死亡と聞いて、思い出されるのが、
厚生労働省の調査班が集計している
ダッシュボードの方ではないかと思います。↓
https://exdeaths-japan.org/

まあこれはこれで、医学的には有意義なこと
なのかも知れないのですが、
当然ながら彼らは
コロナと関係のない死因を除外しています。

それに対して、私が調べているのは
すべての死因を含めた死亡数、
いわゆる「全死因死亡数」による超過死亡です。

これには問題があるようにも思えますが、
これもまた不思議なもので、
実際に、死因ごとにグラフを書いていると気付くのですが、
一見して無関係と思われる心臓病やがんなどの死亡数が、
感染の拡大期には、大きく増えていたのです。

この原因として、
次のようなことが考えられています。

A)隠れコロナ死。(ウィルス検査をしていない、または持病で死亡。)
B)感染を恐れた高齢者が、通院や診察、がん検診、手術を手控えたから。
C)専用病床を確保するために、一般病床が削減され、入院を拒否された。
D)119番通報が相次いだため、救急車がつかまらない。
E)隠れワクチン死。(大多数ではないものの、否定はできず。)

いずれにしても、
感染者数が増えれば、超過死亡も増える
という傾向にあることがわかっているわけですから、
こうした超過死亡を踏まえて、感染対策を講じていくことが
国や各自治体には求められてくるのではないかと思います。

また、3回目のワクチン接種回数と第6波のカーブが
相関しているなどのことから、
隠れワクチン死を疑う声が多く聞かれますが、

死亡超過が出ている地域の分布傾向をご覧になれば、
大部分がワクチンによるものでないことは
ご理解いただけるはずです。

年齢別の死亡数を見ると、
超過しているのは中高年であることがわかります。

そして次に、中高年への接種が急速に進んだ
昨年5月から7月にかけての死因を見ると、
この時期に限定して超過している死因のうち、
循環器系の死因はそれほど多くはなく、
超過死亡の大部分を占めているとは考えにくいのです。

もちろん、免疫が低下するなどして、
数カ月後に死亡するケースなどを否定することはできませんが、
そうしたことを裏付けるデータは、今のところないはずです。

そもそも、死亡超過は、感染者数の多い地域で出る傾向にあり、
また、接種率には地域差があまりないため、
地域ごとに集計していれば、このような結論には至らないはずです。

以上のことから、
この全死因死亡数の超過死亡を集計して公表することは
極めて重要で、有意義なことであることが明白なわけですから、
皆様に置かれまししても
一人でも多くの方に伝えていただければと思います。

私の作ったExcelをご覧になられるのも一つですが、
時間のある方は、ぜひ、人口動態速報の総数だけでも
ご自身で集計してみていただければと思います。

私の使っているGoogle Driveの中に、
白紙のブックを用意していますので、
そちらを使っていただくこともできます。↓
https://drive.google.com/drive/folders/17RdKvZXAFoEqvJDxKjCAs1NUjIFRSxo5?usp=share_link

今年3月の、東京都のグラフだけでも
ご自身で作っていただければ、
公式統計との差に驚かれるはずです。

ケタが違いますので、説明は不要かと思います。



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