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ハイキュー!!キャラは現代を生きている

※最終回付近の本編、雑誌のネタバレを含みます。

そもそも「ハイキュー!!」とは

『ハイキュー!!』は、古舘春一による高校バレーボールを題材にした日本の漫画作品。

『少年ジャンプNEXT!』(集英社)2011 WINTER・『週刊少年ジャンプ』(集英社)2011年20・21合併号にそれぞれ読切版が掲載された後、『週刊少年ジャンプ』にて2012年12号から2020年33・34合併号まで連載された。

2023年9月時点でコミックスはシリーズ累計発行部数6000万部を突破している。

Wikipediaより


主人公の日向翔陽が、同い年の天才セッター影山飛雄と共に、宮城の烏野高校男子バレー部で全国出場を目指していくこの漫画。

練習や試合を重ねる中で数々の選手と出会い、戦い、自分の弱さに気づいて成長していく主人公達の姿が強く描かれる。

最終回付近では、主人公や高校時代に戦い、共に競い合ったライバル達のその後も描かれ、オリンピックについても触れられていた。



さて、この「オリンピック」であるが、
実在した2021年東京オリンピックに、主人公達が日本代表として出場している
という形で、本編に登場するのである。


ハイキュー!!の本編が最終回を迎えたのが、2020年の33・34号合併号のジャンプであるが、これは7月20日発売である。

私たちが生きる現実世界において、2020年は東京オリンピックが開催される予定であった年であり、尚且つ2020年東京五輪の本来の開会予定は7月24日であった。

惜しくも2020東京オリンピックは新型コロナウイルスの影響で1年延期となってしまったが、
仮にこのコロナウイルスが無ければ、ハイキュー!!が連載終了した4日後に、現実世界で本当の東京オリンピックが開催されていたのである。

2020年の夏前に連載終了を目標として、主人公達を現実世界でこれから始まるオリンピックに出場させた作者の古舘先生……。
どこまで計算高いんだ……凄くないか?



しかも本編では2021年にコロナを乗り越えで東京五輪が開催されたという背景も観客から描かれている。もうヤバい。

そんなん東京五輪見るに決まってるだろ。
(ハイキューのおかげでバレーのルールがある程度分かり、生まれて初めてスポーツ観戦を楽しいと思った私)




しかし、現実世界とハイキュー!!の世界がリンクしている例はこれだけではない。



番外編「祭り再び」において描かれた黒尾考案のオールスタースペシャルマッチを現実においても開催したのだ。
しかも作中に登場するスポンサーCM等々まで再現。至れり尽くせりで凄すぎないか?


また、2020年の夏には、
作中で描かれたV1のアドラーズ VS ブラックジャッカル戦が
実際に作中で行った仙台市体育館で行われたのである。

当時はコロナ禍だったためオンラインでの視聴のみだったが、実際に描かれた場所で広告等も作中に登場するものばかりの至れり尽くせり空間って……凄いよ……。
あと山本猛虎も参加してた。ファンサービスすぎる。(観た人には分かるネタ)

↓しかもVリーグ公式サイトには、両チームの紹介ページも作られています。
マジモンにV1でハイキューキャラが生きてる感覚だぜ。




と、まあ他にも色々あるが、ここまでは正直「いやー物語とリンクするように企画して盛り上げたんでしょ?凄いねー」くらいのテンションで観れるだろう。
かくいう私も「おーすげー現実なっとる、アツ」くらいのテンションだった。



しかし、その後私が作者である古舘先生に畏怖の念を抱いたのは、先日発売された「ハイキュー!!マガジン」における小説の一部分である。

(↑因みに男バレパリ五輪出場に関して日向や影山へインタビューを行った内容もある。
改めてパリ出場おめでとうございます。決定の瞬間大盛り上がりしました。)



下記は、2023年夏の世界線である小説において
冴子から「実際にパリ五輪を現地で観戦しよう」と誘われた清水が、他の元烏野排球部メンバーにも同様に声を掛けていくのだが、その中での菅原の発言である。

「あのさ、知ってる?俺、大地や月島とも仕事してるの。」
「仙台市博物館の、出張授業の打ち合わせ。今改装で閉まってるから、博物館のほうが来てくれるんだよね」

目指せパリ五輪 烏野応援団編①より1部抜粋


さて、この何が怖いかというと、
この作中軸(2023年夏)でも、マガジン発売時点(2024年2月16日発売)でも、本当に現実世界の仙台市博物館は休館中なのである……!!

元々休館していたことを知っていた身だからこそではあるが、この文を読んだ時、流石に細かい所まで現実世界と合わせすぎて、思わず
「生きてる?」
と言ってしまったくらいである。


だって………いや〜〜〜〜、ね?
試合とかは企画とかして合わせるってあるでしょうけど(それでも凄い)、さも当たり前のように生きてるかの如く現実の現状とリンクさせているの流石に怖すぎるだろ公式。どうなってんだ公式。
私達ハイキューキャラ達と現代生きてるじゃねえか公式。




余談だが、
仙台市博物館は伊達政宗関係や仙台の歴史に関する常設展示が多い。
恐竜好きの月島くんには、恐竜のことをいつか子供たちに説明して欲しいというエゴがあるため、
館異動をして恐竜の骨格標本がある仙台市科学館に勤務してて欲しい。





さて、ここまでの拙い文から、いかにハイキューが現代とリンクしているか少しでもお分かり頂けただろうか。
分かってください。頼みます。

ハイキューのキャラクター達はまさに今、現代を共に生きている。
仙台の街を、東京の街を、それぞれの本拠地を、またはアルゼンチンやらブラジルやらイタリアやらパリやらロシアやらの地を、彼らは踏み、歩き続けているのだ。

ただ違いがあるとすれば、読者でありファンである私達と実際にすれ違わないだけなのである。

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