TBS日曜劇場はなぜこんなにも名作揃いなのか。
こんな問いを立てれば、色々な波紋を呼んでしまうかもしれませんが😅
今期、VIVANTというドラマが話題になっていますね。(写真は公式より)
私も観てるのですが、もう、ハリウッド映画に劣らないよね!と思うくらい、とにかくスケールが大きくて製作への気合いの半端なさがひしひしと伝わってきます。
しかも、
・1話あたり1億円の製作費(憶測)
・モンゴルで2ヶ月半ロケ
全10話3ヶ月の放送に、これだけの費用をかけているとか…。いやはや凄すぎる。
※日曜劇場の製作費は4000万〜5000万円が相場らしいんです。1話あたり1億円というのは、Netflixなど有料配信サービスと同等の単価のようですが。今回10億円とすると、これまでの相場の20倍…!?
いまや海外ドラマ&映画もサブスクで気軽に観れる時代だから、地上波もこれくらい映えるストーリーにしないとなかなか人気が出ないのかな?と邪推もしつつ。
とにかく面白いし、役者陣も豪華だし、地上波のドラマでこんなにワクワクしたのは久しぶり。今後の行方がとっても楽しみな一作です。
と、そこでふと疑問に思ったんです。
日曜劇場のマネタイズって、一体どうなっているの?と…。
思えば私、超個人的な話になりますが、これまで強烈に記憶に残った日本の連続ドラマって、ほぼTBSの日曜劇場で放映されたものなんです。きっと偏ってるだろう事は自覚の上で。
作品のプロットはもちろん、抜擢される役者勢もピカイチだからなのかな?そしてそれを支えるだけの資金力があるからなのかな?とか考えてます(仮説)。
メディア事業は全くのど素人だけど、今日は可能な限り日曜劇場を丸裸にしてみよう!と思います。
その前に(私が好きな)日曜劇場のドラマたち
※敬称略
余談だが、TBS外だと、「白い巨塔(2003年フジ)」、「大地の子(1995年NHK)」も私的には外せないので、追記。
民放局の収入源って?
まず、資金繰りについての大前提を調べてみました。
民放局の収益のほとんどは広告収入。スポンサー企業がいるから、テレビ局はコンテンツを作って放映することができる。CM枠を企業に買ってもらうことで収益を上げているのがビジネスモデル。そして、その枠で、その企業のCMを流す。
CMの種類は下記の通り大きく二つ。
一般的に、高視聴率の番組の方が広告宣伝効果も高いため、番組の視聴率が上がれば、より高い金額で広告枠を買ってもらえるようになり、企業の収入増に繋がる。
より詳しいトレンドは広告代理店の方に聞いてみたいですが、デジタルシフトが進んでいる昨今でも、地上波広告がもたらす購買への影響は依然として高いそう。よりインパクトのあるコンテンツ作りに精を出すのが、広告主のためでもあり、現在も、テレビ局の方々の努力しているところでもあるようです。(参考:広告会社からみたテレビメディアの価値とこれからについて)
TBS日曜劇場は、さすが人気枠とのことで、タイムCMのスポンサーが安定的についていますが。(花王、SUNTORY、NISSAY、SUBARU)
最近の傾向としては、コロナ禍も一つの契機となり、広告費をタイム(固定費)からスポット(変動費)へ移行する動きが加速しており、変動費の獲得が急務だそうです。(TBS HD 2023/3期 有報p.17)
各社、ネット配信の広告収入増に加え、不動産事業、ライツ事業など多角化経営にも力を入れていますが、各社の財務情報を見ていると、今のところ一番の稼ぎ頭はやはりメディア・コンテンツ事業といえそうです。それを支えるコンテンツ力、そして広告収入の影響は依然として大きいのですね。
民放局の番組制作費とTBSの特徴
次に、どのくらい番組制作に費用をかけているかを見てみます。
その前に、テレビっ子ではない私は、各局の特色に疎いので、念のためそこを確認しておきたいと思います。
各社、業績の変動はあれど、いずれも極めて健全な財務基盤を持っていらっしゃる(さすが大手…!)。TBSの制作費がダントツな理由は、ドラマ制作は他の番組制作に比べて費用がかさむのかな、くらいしか思いつきませんでした…。仮に本当にVIVANTの制作費が10億円だったとして、TBSの年間の番組制作費は約950億円(地上波以外も含む)なので、これは決して無謀な数字ではなさそうです。
もう一つ、TBSについて気になったのが、2021年度に設立した海外戦略の新会社「THE SEVEN」。
ゼロイチベースでコンテンツを作る組織で、既にNetflixとアライアンス提携済。ただこれは独占的な提携ではなく、今後も海外クリエイターとの協同は広がっていくだろうとのこと。(参考:日本初のTBSスタジオ組織が世界市場で何を目指すのか)
欧米スタジオや韓国のスタジオドラゴンが念頭にあるそうで。とても楽しみな動きです。この会社の存在がVIVANTの制作にも影響しているのかも、とも思ったけど、違うのかな~、どうなんだろう。
なぜTBSドラマが面白いのか、定性面からも考えてみる
数字を見ただけでは正直、まだよく分かりませんので、ここからは定性情報も見てみます。(以下6点)
おわりに
いかがでしたでしょうか。
業界の方ならもっと面白い分析が出来るんだろうなと思いつつ…メディアビジネスの大前提から最近のトレンド(主にTBS)までを追ってみて、このVIVANTを皮切りに、世界を見据えた面白いドラマが新たに生まれて来るんじゃないかと、勝手に期待を寄せた私です。
あっという間なもので、VIVANTもあと4話で終わり!どうなるんでしょう~、とにかく今後の展開が楽しみです!引き続き見逃さずにいきたいと思います。
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