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アルバイトドライバーは本日も快走中です!! #6

5月2日(木) 20:10 バス停を占拠する1台のトラック。そこにシャトルバスが戻ってきて・・・

 5月2日(木)20:10、翌日から4連休のGW後半が始まろうとする連休前の平日にあたる夜。
 アルバイトドライバーの私が担当するシャトルバスが発着する「駅のロータリー」は、普段以上に「お迎え」の一般車が多い印象であった。
 駅ロータリー内には「シャトルバス乗り場」として、専用スペースが確保されている。さすがに、この「お迎え」の一般車がシャトルバス乗り場を占拠して、運行を妨げるようなことはない。
 つまり、どんなに混雑していても、このスペースだけはポッカリと空いているということになる。

 この日は、緑色の底が浅めのプラスチックケースを台車に6段くらい積み重ね、台車をゴロゴロ押しながら、駅に併設されているコンビニ方面に歩き始めた「明らかに納品業者っぽい」お兄さんが、私のシャトルバスを見るやいなや、申し訳なさそうに、自分のトラックに慌てて引き返して戻って来た。
 それもそのはず、駅のロータリー内に設置された「シャトルバス乗り場」に、その納品業者のトラックがドーンと止まっていたからだ。

 ただ、バス停付近に駐車されてしまうことは「路線バス乗務時に何度も経験している私」としては、想定の範囲内の出来事である。別に「ムッ」とするようなことではない。お客様をバス停の「少し手前」で降ろすか、トラックに「横付け」して降ろすか、どちらが「より安全か」だけの問題だったからだ。ましてや、時間はすでに20時を越えており、ピークタイムはとっくに過ぎている。この時の乗客も実際5人程であったし、バス停で待っているのも2人だ。

 そのトラックは、慌てて移動することで、一定の乗降スペースは空けてくれたものの、実際は前方に数メートルほど動かしたのみ。依然、ハザードを点けた状態で停まっている。乗降はスムーズになったが、通行の妨げとなる位置で停車していることには、変わりはない。
 「変なとこで停まるなあ」と思いながら、お客様様の乗り降りを確認し、時計を見たら「発車まで3分」。
 そこへ、トラックの運転手である「お兄さん」が頭を下げながら、私に近づいてきた。

駅ナカのコンビニへの納品は駐車スペースの争奪戦?「納品業者」さんも、ホントに大変そう!!


「すいませんでした。ココが、バス停と知っていたんですが、今日は一般車が多くて。私もロータリーを何周か回っていたのですが、スペースが全然空かなかったので、困ってしまって。」

 トラックのお兄さんは、駐車スペースを探して、駅のロータリーをぐるぐる回っていたようである。そして、仕方なく「バス停内」に駐車した途端にシャトルバスが戻って来てしまったので、それこそ「今日は、ツイてない」と思ったに違いない。

 私も以前はトラックの運転手だった。一つの納品先で、なかなか荷物を下ろせないと、次以降の納品がズルズル遅れて、焦ってしまう。今、駐車位置さえままならない、この納品業者であるトラック運転手のお兄さんは、まさにその状況なのであろう。
 状況を察した私は、持っているシャトルバスの運行表をみて、「次に駅に戻ってくるまで約25分あるので、このバス出発したら、ココ使えますよ。」と言った。
 「すいません!本当に助かります!!25分もあれば、納品できます。」

コンビニ配送のドライバーの皆様!いつも、お仕事、お疲れ様です!!


 コンビニ配送はネット上では、激務であると聞く。コンビニ自体が24時間営業であるし、今回のように駅ナカにあるなど、「駐車場がないコンビニ」であれば、納品するだけでも一苦労だ。

 現在は特に、2024年問題として、人手不足を始めとした「物流にまつわる問題」はニュースでも、よくとりあげられており、私も関心がある。

 そして、実際の現場では、今回のような納品業者であるトラック運転手の方々が、きっと「苦労しながら」、時には「頭を下げながら」この便利な世の中を支えてくれているに違いない。

 25分後に駅に戻ってきた、私のシャトルバスのバス停には、もうそのトラックは停まっていなかった。順調に作業を終えて、次に向かったのだろう。

 ただ、私も納品業者のお兄さんに「この場所、使ってもいいよ」感を出したものの「駅の乗り場スペースって、一体誰のものなんだろう?」などとは、当然考えたことなどない。結果として「謎のマウント」であった私自身の言動を思い出して、思わず笑ってしまった。

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