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デザイナーがUIのライティングをするときに読んでよかった書籍3選+α

この記事は事業会社で働くデザイナーを中心としたコミュニティInHouseDesignersの『InHouseDesigners Advent Calendar 2019』17日目の記事です。

こんにちは、弁護士ドットコム株式会社でデザイナーをしているhosogaiです。2019年4月に弁護士ドットコムへ転職し、デザイナー陣をはじめとした勉強熱心なメンバーに刺激を受けながら楽しく働いています。

普段の仕事では弁護士の方が利用する機能や画面周りのUI改善に携わることが多いのですが、今回はUIデザインのなかでもとくにライティングについて話をしてみようと思います。

サービス内のUIで使うテキスト、誰が書いていますか?

ここ近年はUXライティングが注目されているものの、専任のUXライターを抱えている会社やサービスはまだ少数派で、デザイナーやディレクターが中心となってルールやガイドラインを整備しているところが多いのではないでしょうか。

(私の所属部署ではないですが)弊社のサービス『クラウドサイン』でも、ディレクターが中心となってユビキタス言語の一覧をつくっているそうです。

ただ、必ずしもデザインが得意ならライティングも得意‥という訳ではなく、

● ゼロから文章を組み立てて書くのが苦手
● 丁寧に書こうとした結果、敬語と謙譲語を使いすぎて何を言ってるのかわからない文章になる
● 用語リストはできたけれど、送り仮名や文法の正しさに自信が持てない

のような問題にぶち当たったりします。

私の所属チームでも、ライター職ではない複数のメンバーでUIのライティングをしています。みんなで使える参考書籍を求めて色々な本を読み漁った結果、これはぜひ!となった書籍をここで紹介したいと思います。

1. ヘルプページでなくても参考になる『ヘルプサイトのつくりかた』

サイボウズでテクニカルライターをされている仲田 尚央さんの著書。表紙が真面目な印象だったからか、最初は「なんだか難しそう‥」と言われてしまった覚えがあります。しかし、読んでみると伝える内容の設計から文章表現までとても分かりやすく網羅されていると好評で、いつの間にか他のチームにも布教されていました。

特に5章の「スタイルガイドや用語集を準備する」と6章の「記事を作る--文章と図解のテクニック」は、管理画面の機能説明やフォーム周りのテキストですぐに参考にできるものばかりです。最初から読むのがつらい場合は、先にこの章だけ目を通しておくのもおすすめです。

2.簡潔で論理的な文章の書き方を学べる『技術者のためのテクニカルライティング』

広告媒体で使われるコピーライティング技術とは少し違う、簡潔で論理的な文章を書く技術について学べる書籍です。「技術者の」「技術文書の」というフレーズがついていますが、メール文や企画書、報告書などビジネス文書全般に役立つ内容になっています。

ユーザーへの案内文やお知らせを掲載する際に、丁寧に書こうとすると遠回しでピンとこない表現になりがちなのが悩みだったので、もっと早く知りたかった!と思った内容の書籍です。

3.送り仮名や表記の指標として持っておきたい『記者ハンドブック』

文章内の送り仮名や単語、熟語の統一として一般に使われている辞典で、著名な新聞社や出版社ごとに用字用語集が発売されています。今回は、弊社の他メンバーがすでに使っていた共同通信社の用事用語集をピックアップしました。

用語リストをつくるとしても、いま使われていない言葉が出てきたときに基準となるものがほしかったため、迷ったときはこの書籍を見ながら送り仮名や表記を相談して決めています。

+αで読むと楽しいかもしれない書籍とサイト

チーム全員で読む必要はないかもしれませんが、文法や日本語についてもっと知りたくなったときに読むと良さそうな書籍とサイトです。

日本人のための日本語文法入門

国語の授業で教わった文法とは違った、普段使っている現代日本語の文法について解説されている書籍。「省略しても何となく意味は通じる」「この言い回しは何となく違和感がある」の『何となく』の理由が分かるので、レビュアー役に回るときの参考書籍にもなりそうです。日本語は奥深いなと思えます。

ことばの研究(NHK放送文化研究所)

NHK放送文化研究所が運営しているサイトで、NHKの放送用語について外部識者を交えて検討している委員会の報告をPDF形式で誰でも読むことができます。

個人的に興味深かったのは『便利な言い回しに頼らない表現を』という報告書の中で体言止めについて触れている箇所で、UIのテキストではよく見かける「サ行変格活用(サ変動詞)」についてこんな意見が出されていました。

サ変動詞の『する』の部分をつけずに,文の末尾で使う箇所が目立つ。文の途中なら『~し』,文末なら『~しました』と完結させたほうが伝わりやすい」
「体言止め」を使うねらいとしては,文章をテンポよく伝える,語尾に変化をつける,映像とコメントを合わせる,などがあるが,多用すると逆に効果が薄れ,単調になることもある。

他のサービスでも使っているから、テンポよく見えるから、レイアウトの問題で文字数を少なくしたいから‥と言った理由で安易に使ってしまうのですが、その前にユーザーへの伝わりやすさを考慮して言葉を選びたいなと考えさせられます。

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以上、デザイナーがUIのライティングをするときに読んでよかった書籍の紹介でした。次は実際にチームで運用してみた報告までできたらいいですね。

Twitterもやっているので、みなさんのおすすめ書籍・サイトなど教えていただけるととてもうれしいです🌻

最後までお読みいただきありがとうございました!

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