ピュアに死に急げ

ドブネズミが残飯を求め徘徊する街。湿っぽいアパートの一室にぽつり、大の大人。まずい牛乳を飲み干す。平等で不公平な夜だから、誰だって今すぐ凶悪犯罪者になれるし、あの世の存在を確かめることだって出来る。生命は目覚ましい進化を遂げた。放っておいても心臓は強欲に酸素を喰らい、毒が退化した嘘はトカゲのように舌の上を滑る。長生きしたいだなんて思わないのに、健康診断に備えて眠りたい自分に嫌気がさす。

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