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Mr.Children - Over(コード進行分析#6)

こんばんは。
「好きなコード進行を歌ってみた」シリーズ第6弾です。

歌ってみたやつ

本家(キー違うライブ版)

顔のわりに…
| Bb  Dm/A | Dm7-5/Ab  G7 | Cm  Cm/B | Cm7/Bb  F |
数え上げりゃ…
| Bb  Dm/A | Dm7-5/Ab  G7 | Cm  Cm7-5 |
心変わりを… 
| Gm7 | C7 | Eb | F |

今回もクリシェです!
あえて前回(https://note.com/shelivesdrum/n/n6abae8998b9d)と同じテーマでいってみました。
元々はこのシリーズ、できるだけ多種多様なものを紹介したいなーと思ってたのですが、いつかはネタ切れしそうですし、あんまり自分のハードル上げ過ぎても苦労するのでね。

まあ、「色んなコード進行」ではなく、「好きなコード進行」ですし、
この曲とこの曲が同じっていうのも知識として蓄えていけば、
よりコード進行の面白さがわかりそうな気がしてます。

ポイント1(サビのクリシェ)

今回のポイントはクリシェ!これに尽きます。
前回と同じ話になりますが、
コード進行において、ある音が半音ずつ下がっていくor上がっていくやつをクリシェと言います。
そして、今回のはクリシェの中で、一番よくある
「ルート音が半音ずつ下がっていく」パターンになります。

サビの | Bb  Dm/A | Dm7-5/Ab  G7 |  で、
ルートが Bb→A→Ab→Gと半音ずつ下がっていってます。
更に今回はその続きもクリシェになってて、
| Cm  Cm/B | Cm7/Bb  F |
ここも C→B→Bb と、半音ずつ下がっていってます。

ちなみに最初のBbからのくだりのコード表記はちょっと悩んだんですが、
家にあったスコアに倣いました。
まあ普通に| Bb  Bb/A | B/Ab  G7 | でも問題ないと思います。

1個目のクリシェは、トニックのルートが下がっていくクリシェで、
2個目のクリシェは IIm のルートが下がっていくクリシェになるんですが、
これは本当によくある、クリシェの王道パターンかと思います。

トニックのルートが下がっていくクリシェは、当然トニック始まりということで、サビの頭とかメロディ頭によく使われる印象です。
一方2個目のクリシェは、マイナーコードになるので、ちょっと展開を変えたいときに使われます。

まさにこの曲のように、サビの後半とか、他にはBメロとかでも使われることが多い気がします。
ミスチルで言うと口笛のサビ前「♪言葉より~確か~なもの~にほら~」
とかがIImのクリシェですね。
ちょっと切ない感じをオシャレに演出することが出来るので便利です。
ぜひ覚えて使いましょう!

ポイント2(サビのその他)

クリシェの他にもちょっと気の利いたコードがありまして、
まずは、「♪愛してたのに~」の | Cm  Cm7-5 |
これは IIm → IIm7-5 という進行ですね。
IIm7-5 は サブドミナントマイナー(IVm)の代理コードです。
Cm→Ebm6 とした場合と構成音が同じなんですが、
ルートをキープすることで、ちょっと落ち着いた印象になりますかね。
あと、普通にIVmにするよりテンション感が加えられて不安定な感じです。
多分、この部分を強調したいのであればEbmでいいと思うんですが、
Cm7-5にすることで、その後の「心~代わりを~」がよりハッキリ広がる感じになってる気がします。
IVmとしたいところで、IIm7-5 を使う」このテクニックも覚えておくと良さそうですね!

あとは、最後の C7 ですが、これはII7ということで、セカンダリードミナントですね。このコードはC7(II7) → F(V)と使われることが多いのですが、
ここでは II7 → IV → V という進行になっています。
Vの前にIVを挟んでる形になってるんですが、これはこれで気持ちいい進行ですね。
II7」の三度の音(IV#)が「IV」のルートの音(IV)に解決された感じがあり(キーCで説明すると ファ#→ファ ということです)とても気持ちいい進行です。
そう考えると「IV」が挟まっているというより、
割とよくある進行「II7→IIm7→V」の親戚って考えた方が良いのかもしれません。

前回取り上げた「追憶のマーメイド」との違い

最後に前回取り上げたイエモンの「追憶のマーメイド」との違いについて。
(理論というより完全な主観になりますが)
サビの頭の進行は全く同じと言って良いと思いますが、
当然受ける印象は違いますね。

イエモンの場合は、前回書いた通り、
コード進行の「強さ」ってのが特徴で、
一方で、ミスチルはもう少し都会的なおしゃれさ、、とまではいかないにしても、イエモンとは対照的な「ふわっと感」を大事にしている感じがします。

例えば5つめのIImからの展開にしても、
イエモンは IIm→bVII とはっきりとしたメジャーコードに進行してましたが、ミスチルは、IIm→IIm/bIIとあくまでクリシェ、ふわっとした形です。

更に勝手な想像ですが、ポイント2で取り上げた IIm→IIm7-5の部分も、
イエモンならIIm→IVmなんじゃないかなー という気がします。
少なくとも僕のイメージではそうなります。

まあもちろん、両バンドともたくさん曲出してるので、
この曲がたまたまってこともあると思いますが、
普段両者を聴いてて受ける僕の印象としては、そういう対照的なところがあるかなーという気がします。
同じコード進行パターンの別のアーティストの曲を聴き比べるの、
なかなか楽しいですね!

余談

それにしても、「Over」は美しい曲ですね。
クリシェに「ミファソ~ミファソ~」的な単純なリフレインを乗っけるっていう、やってることはシンプルだけど完成度が高い、昔から大好きな曲です。

そして余談ですが、誰もが気になるサビの歌詞
「♪顔の~わりに~小さな胸や」
って、顔がでかいのか、巨乳顔(?)なのか、、
永遠の謎ですね!
こういう一見普通に見えて、よくよく読むと想像力が掻き立てられる歌詞って良いですよね。

という訳で、本日は以上です。
読んでくださった方、ありがとうございました!

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