11/19 アイコンの話

気づけば日記を始めてから10日が経った。毎日は書けていないけど、私にしては上出来だと思う。ここらでアイコンの話をしよう。

この月は群馬の月だ。大好きなバンドのライブを見た後に撮った月。

10/21、私は人生で初めて群馬県に降り立った。多分通り過ぎたことすらない、初めての北関東。

夜行バスで深夜に飛び出し、早朝に寝ぼけ眼で降ろされた。やわらかい朝日に包まれながら、寝足りないのでいつも通りネットカフェを探す。が、ない。いや、あるけど遠い。駅から徒歩30分弱。タクシーを拾うにも苦労しそうなので早朝から重い荷物を背負って歩いた。

3時間パックでお昼前に出た。とりあえず荷物を預けるために30分歩いて駅に戻る。群馬の中では栄えているはずの駅、何もねー。大学時代はよく夜行バスで移動していた。でも、ライブまでの時間の潰し方に困る経験はあまりしたことがない。大体何かあるんだよ。何も無くても美味しい名物がある。だからそれを食べて旅行気分を味わうんだ。でもそれすら無かった。(群馬の皆さんすみません、私のリサーチ不足と遠出する気力が無かったのが原因だと分かっています)

結局旅行気分を味わうことは早々に諦め、徒歩10分のショッピングモールで映画を見た。映画を観ることに決めた時の私は夜までの長さに酷く絶望していたので、出来るだけ長く拘束して貰えるように舞台挨拶ライブビューイング付きのものを選んだ。映画は良かった。

上手く時間が潰れたのでお昼ご飯をゆっくり食べ、スタバで時間を潰し、徒歩30分のライブハウスへ向かった。

私の大好きなバンド、辛い時にいつもそばに居てくれるバンド、このバンドは群馬出身で去年まで群馬に住んでいた。

初めて行った前橋diver、運良く2列目で見られた。

群馬と東京の話、上京の話、群馬のあたたかさや東京での生活のこと、全部詰め込んで真剣な顔で思いの丈をお話してくれた。それを涙ながらに聞く群馬のお客さんたち。そのまま上京した時の気持ちを綴った新曲を演奏してくれた。全国ツアーで群馬でしかやらないと言ったその曲は、確かに感動的なものだった。

でも、なんかちがう。

私が朝に来て日が暮れるのを待っていた群馬のまち。好きなひとが大切にしているこのまち。ライブハウスまで歩いている時に思ってしまった。「私は貴方の大切なこのまちのこと好きになれません。ごめんなさい。」と。

明らかにこのライブハウスの中にいる他のお客さんとは違った気持ちを抱えていること、自分が遠くから来た余所者であることに気づいてしまった。寂しかった。

「群馬で"故郷"聞けたらいいな〜♪♪」なんて軽い気持ちでいた自分が恥ずかしくなった。

ライブ後、外に出て、徒歩20分の駅に向かう。大通りを真っ直ぐ歩くと大きな月があった。建物が低いからよく見える。そんな綺麗な月をどうしても写真に残したくなって道端で立ち止まって撮り続けた。少し群馬を好きになれた気がする。




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