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本当に「怖い」のは小説かもしれない

ども、小説は怖くないです

伝えたいのは怖い話の聞き手として、本当の恐怖を感じられるのは小説なのではないか、という事
短い文章にまとめるの、苦手


かなーり前に書いた
「本ってつい買っちゃうよねっていう話」に出てきた仄暗い水の底からを3度程読み終えた

そのnoteにも書いたように「文章で怖い思いする?笑」と舐め腐っていたが、、、


めちゃくちゃ怖かった!!


そもそも俺自身そんなにホラー耐性が強い訳じゃなくて、ホラゲーだったらバイオハザード超えたら多分無理

本当にあった怖い話とかも見れないし、世にも奇妙な物語も一部しか見れない

お化け屋敷なんて論外
死ぬ死ぬ


で、それらの何が怖いかって怖がらせようとしてきてるから怖い

本怖も世に奇もいきなり画面全体にオバサマとかオナゴが現れよる
しかもクレッシェンドしていく高音付きで

ウォーリーを探さないでと何ら変わりない
卑怯だ!ホラーが苦手な俺はそう言わざるを得ない

ホラゲーだっていきなり窓から出てきたり、画面全体に現れたりするし、お化け屋敷もいきなり「ウオォォ!」とか叫びよる

怪談話もこの中では1番小説と類似しているが、話し手の抑揚やトーンである程度操作できてしまう
(ある意味小説のワンランク上とも言えるが)


しかし、小説は違う

いきなり文字がデカくなる事も無いし、音が出る事もない


それでも恐怖を感じる理由、それはおそらくその恐怖の正体が掴みづらいからだと思う


他のジャンルだと映像やイラストとして幽霊がいたり、ゾンビがいたりするから見た目や表情等が固定される


しかし、小説ではある程度の説明が記されてあっても少なからず多少の脚色が脳内で起こる

その結果、自分にとって最も恐るべき姿に変貌するのではないか


俺が「仄暗い水の底から」の中で最も恐怖を感じた話は
(仄暗い水の底からは短編集で出来ている)

「夢の島クルーズ」というもので
タイトル通り、クルージングしている最中に起こる話だ

何が起こるのか把握してもらわないと説明出来ないので、ネタバレをする
思いっきり、「「ネタバレ」」をする










※ネタバレ注意↓





結論から言うと、主人公達の乗っている船が急に止まり、その原因を探すと男の子の水死体が船に絡まっていた…
という話だ

おそらく内容は同じでも普通にこの話をされたのではそこまでの恐怖は感じない


この話で恐怖を感じた原因の1つとして、その男の子の容姿にあると思う

実際に作中では主人公の想像(憶測)としてこう書かれている

溺死した少年がキールに抱きつく姿。顔を風船のように膨らまし、両目をぶよぶよとした肉の奥にめりこませ、開いた口から白い舌の先をのぞかせている。抱っこちゃん人形のように、ひっしとオールを掴み、ヨットの行き足を止めている溺死体……。

読む内にその姿を想像してしまい、思わず背筋がゾッとする
読者によってその男の子の姿は異なるが、自分にとっての恐怖を具現化した形となって現れる


暗い夜道、一度怖い事を想像すると次から次へと連鎖して行くあの感じ、振りほどこうにもじっとりと脳に侵食してくる

それに最も近い恐怖が「小説」というジャンルなのではないか


テレビやゲームとは違う、単に心臓を脈打たせる事を目的とした恐怖では無く冷や汗をかかせるような陰湿な恐怖

それこそが恐怖の真髄であり、娯楽の中の真の恐怖なのではないか


もし、娯楽として「驚嘆」ではなく「恐怖」を楽しみたいのなら、小説を読む事をオススメする


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