ホウ・チーラン監督より
台北で育った多くの人々と同じように、私も学生時代は南陽街の予備校で勉強していた。予備校通いの日々でTシャツとGパンに染み付いた油飯(台湾おこわ)や鶏排(台湾からあげ)、それに泡沫紅茶(アイスティー)のにおいと、予備校の灯りが夜空を照らし、「◯◯大学合格」のような各学校が合格実績をアピールする掲示の紙と試験用紙が宙を舞う風景を今でも覚えているし、K書中心(自習室)の、まるで宇宙の奥深くに埋もれているかのような静寂と薄暗さも強く印象に残っている。
この街を行き交う学生たちの波の