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『狼が羊に恋をするとき』について

作品概要

台北駅近くに実在する予備校街〈南陽街〉を舞台に、実写にアニメーションやコマ撮りを加え独特の世界観を創り出すのは、巨匠ホウ・シャオシェン監督がプロデュースした『ONE DAY いつか(原題:有一天)』(10)で長編デビューしたホウ・チーラン監督。時代性を意識し、そこに共通する記憶に独自の視点と美しい構図で挑み続ける監督の長編2作目である。

本作は2012年秋の台湾公開後、日本ではSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2013長編コンペティション部門、カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2014(東京)、台湾映画祭2015(福岡)と相次いで上映されたが、一般公開されないまま長らく〝幻の傑作〟となっていた。

主演は『赤い糸 輪廻のひみつ』のクー・チェンドン。大ヒット青春映画『あの頃、君を追いかけた』に続く主演2作目だった。そしてクー・チェンドンの相手役を演じた実力派女優ジエン・マンシュウにとっては、本作が映画初出演にして初主演となる記念碑的作品である。ふたりの、初々しいながらもその後の活躍を予感させる演技が光る。

©2012 Strawberry Time Films ALL RIGHTS RESERVED

あらすじ

「予備校に行くね」——恋人はメモを残し姿を消した。

「予備校に行くね」――メモを残し、恋人のイーインが姿を消した。落ち込むタンが彼女を捜しにやってきた のは台北駅近くの予備校街<南陽街>。タンはひょんなことから印刷店店長に拾われ、住み込みで働くことに。 近隣の予備校から依頼されるテスト用紙の印刷に明け暮れる日々、タンはとある予備校の原稿に羊のイラスト が描かれていることに気が付く。羊のイラストを描いていたのは「必勝予備校」のアシスタント・シャオヤン (小羊)だった。働きながらイラストレーターを目指す彼女は、海外留学してしまった元カレの帰りをこの街 で待っていたのだ。タンはある日、羊のイラストが描かれたテスト用紙の原稿に出来心から狼のイラストを描 き足し、印刷してしまう。テスト用紙上で会話を始めた狼と羊は瞬く間に学生たちの話題に。「狼は誰?」。そ んなある日、タンはシャオヤンが元カレのことをあきらめ、この街を去ろうとしていることを知り…。

『狼が羊に恋をするとき』
監督・脚本:ホウ・チーラン(侯季然)
プロデューサー:リー・ヤォホァ(李耀華)、リュウ・ウェイラン(劉蔚然)
脚本:ヤン・ユエンリン(楊元鈴)、ホー・シンミン(何昕明)、チェン・チンヨウ(陳慶祐)
出演:クー・チェンドン(柯震東)、ジエン・マンシュウ(簡嫚書)、グオ・シューヤオ(郭書瑤)、ツァイ・チェンナン(蔡振南)、チャン・シューハオ(張書豪)、シエ・シンイン(謝欣穎)、リン・チンタイ(林慶台)

原題:南方小羊牧場、英題:When a Wolf Falls in Love with a Sheep
2012 年|台湾|85 分|カラー|シネスコ|5.1ch|DCP|字幕:鈴木真理子 配給:台湾映画同好会
配給協力:台湾映画社
協力:SKIP シティ国際 D シネマ映画祭、トリウッド
©2012 Strawberry Time Films ALL RIGHTS RESERVED

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