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飛行機は怖くない~長崎旅行記~

昨年の秋、30歳を過ぎて初めて一人で飛行機に乗った。高校の修学旅行ぶりで当時はどうやって空港までいったのかも覚えていないし、隣に知らないクラスの男子が座る事になり居心地が悪かった事と降りてから耳鳴りに悩まされた事しか記憶にない。つまり、飛行機をずっと避けて生きてきた。

そんな私がなぜ飛行機に乗ったかというとバンドのライブの為だった。追っかけです。

ありがたい事にファン友達が出来て、その中には九州の子達がいた。彼女たちに会いたかったし、もういい大人だったので今まで避けていた事を一つでも克服したかった。
関東に住んでいると、ほとんどの事は関東地方内で用が済む。東京に行けばなんだってあるし、大好きなディズニーリゾートも千葉県だ。
スケジュールを確認していると、長崎はちょうどその日お祭りである事を知った。長崎くんち。名前くらいは聞いた事があった。カメラも好きな私は、違う地方のお祭りも撮影してみたかったので長崎へ行く覚悟を決めた。

そして、問題の飛行機だ。チケットの手配は一度旅行会社に相談に行ったが、祭りの為4か月前でも高いプランしかなく、メインの用事であるライブ会場から離れたホテルとのセットしかなかった。担当のお姉さんは「日付を変えればお安く行けますよ。」と言ったが、その日でなければ意味がない。
私はファン友達で遠征に慣れている子にも相談し、航空会社のホームページからチケットを予約した。旅行券などが準備されるのかと思ったが、今はQRコードを使うので事前に郵送される事も、自宅印刷しなくても良いそうだ。当日チェックインを済ませるまで、本当にこれで予約が取れているのか心配でならなかった。


電車移動では経験しない、金属探知機も不安であった。止められても該当の金属を外せばいいだけらしいが、慣れていないのでなるべく動揺する事態は避けたい。
ファン友達から「拡張したピアスは止められた」「ベルトのバックルが大きいと止められる」「ゴツイブーツも止められる」と聞き、何で行ったらいいんだ、浴衣とスリッパかよ……と、思ったほどだ。実際、私はピアスは開いているが拡張してないし、ゴツイベルトもブーツも持っていない。ただ、ただビビッていた。

あっという間に当日を迎えて、地元からも高速バスで空港へ向かった。早朝便だがバスは満席だった。搭乗予定の飛行機より、1時間30分くらい早く着いた。機会でのチェックインを済ませ、搭乗を待っている間に何度か館内アナウンスで飛行機の遅れや搭乗口変更の案内が流れたが、その度に自分が乗る便ではないかとオロオロしていた。
何とか搭乗までこなすが、この日は大変混んでおり自分が乗る便も出発が10分ほど遅れた。
飛行機が滑走路を走りだしただけで、私は緊張したが離陸の瞬間は「ストームライダーみたい」とディズニーオタクらしい非常に軽い感想であった。楽しかったな、ストームライダー。今はニモ&フレンズ・シーライダーになってますね。ちなみに耳鳴りの心配があったので、離陸前から耳栓を着用したので、耳鳴りには悩まされずに済んだ。この耳栓は普段、ライブに行くときに使っているものだ。
この日、私が乗った便はいわゆる格安航空会社の便であり、今までイメージしていた(テレビなどの映像)飛行機よりかなり小さかったし席も狭かった。乗っている時間は1時間30分程度なのでそこまでストレスは無かったが、エコノミークラス症候群を恐れた私は少しでも足の指を動かせるようにと、つま先の広い登山靴を履いての旅であった。別に長崎が坂が多いからビビったわけではない。

無事に長崎に着くと、まず空港が小さい事に驚いた。大変失礼な話だが、空港といえば羽田空港や成田空港をイメージしていたのでターミナル空港しか記憶にない。考えてみれば利用者数や便数も違うのだから当たり前の事だ。飛行機を避けてきた私にはその当たり前がわからなかった。

高速バスを使い長崎駅へ向かい、ファン友達と合流した。祭りを見学していた時「これは何してるんだろう?」「何て言ってるんだろう?」などと話していると、地元のご婦人に声をかけられた。
ご婦人は目をキラキラしながら「お姉さんたちどこから来たの?」「くんちの為に!?」と話すご婦人に、ライブです。とは、言えず「違うんですけど、せっかくならくんちも見てみようかと……」と話すと近くにいた男性も加わり解説してくれた。地元民に愛されたお祭りなんだな。と、思った。

実際に長崎くんちはかなり広い範囲を使い祭りが行われていたので、見ごたえがあった。神輿も地元で見るデザインがかなり違うので、新鮮だった。アジアンテイストというか、東洋の雰囲気が強かった。
お昼の中華を食べた後、諏訪神社へ向かったが坂がかなり厳しい。階段も角度が急で、かなり足に負担がかかったので、登山靴を履いていって良かったと思った。長崎の友達には「長崎は坂は多いけど、山じゃないです」と言われたし他の友達にも「カメラ持って、登山靴履いてるのに目的がライブって誰も信じないですよ」と笑われたが、私は本当に登山靴で行って良かったと思っている。神社では夕方から夜にかけて祭りの催しがあったようで、地元の方がかなり早い時間から並んでいた。
観光中、自転車と全くすれ違わなかった。祭りで人が多いからではなく、坂が多いので基本的に自転車に乗らないそうだ。


夕方からはライブハウスでライブを見てから、夜は夜景も見ずにファン友達と飲みに行った。他の人に話すと、長崎行ってて、カメラやってて夜景見ないとか何事!?と思われるだろうが、私はライブの為に長崎へ行ったのだ。友達と「楽しかった~」「かっこよかった~」と話している時間は夜景に負けないくらい輝いていた。と、思う。

この日人生で初めてカプセルホテルに泊まった。抵抗あったが、値段とアクセスの条件が良くカプセルホテルを選んだ。泊まってみると、新しいホテルで綺麗だったし本当にお風呂入って寝るだけだったので何の不満も無かった。

翌日は友達の案内で「ペンギン水族館」へ遊びに行った。決して大きな施設ではないが、外にビーチがありペンギンが海を泳ぐ姿が見れたのでとても楽しかった。
楽しい時間はあっという間で、飛行機の都合で一足先に友達たちと別れた。別れの挨拶は「次は〇〇(参加予定が被っている会場名)で!」だ。

帰りの飛行機では流石に昨日の今日なので、ビビる事もなく搭乗した。搭乗口が変更されたが、冷静に対応できた。凄く大人になった気分だった。
空港到着後、高速バスまで時間があるのでレストランでオムライスを食べていた時にそれまでファン仲間の友達が一緒だったので急に寂しくなった。友達に恵まれ良い旅でした。皆、住んでいる所がバラバラなのに共通の趣味で知り合って、同じ時間を共有して面白い関係だと思う

この先、どんな旅に行っても私が飛行機を克服できた旅は長崎旅行です。ちゃんぽんも美味しかったし、また機会を作って伺いたいです。次は夜景も見ようかな。

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