【キングオブコント2021】男性ブランコのネタを見た話

毎年何となく観ていたKOC、こんなにも熱い気持ちになったのは初めての経験だった。

昔からお笑いが好きで賞レースの類は観るようにはしていたのだけど、その賞レースに所謂"推し"という存在が出たことはなかった。

今ではシソンヌが大好きだが、優勝した2014年の私は特に意識して観ていたわけではなかったし、あの頃は好みもだいぶ違った。


チョコプラはファンレターも送るほどだったが、中学生の頃の"好き"なんてたかが知れている。
ライブを観に行くお金もない。
加えて地方住みの私には、到底"推す"ことなどできなかったのだ。


「好き<推し」という式があるなら、やはりあの頃の私は"好き"を超えていなかったのだなと思う。


個人的な基準として、"好き"はシンプルにネタが好きな人たち、"推し"はきちんと有料コンテンツにお金を出し、遠征をしてまで生でライブが観たい、できることなら全てを追い尽くしたいと思える人たち、としている。

そんな関門を突破して去年"推し"という存在になったのが、まずシソンヌ。


そして今年、いや、1ヶ月半前に"推し"という存在になったのが男性ブランコである。

きっかけや詳細はこちらのnoteに綴ってある。


こうしてなんやかんやあり、私は生まれて初めて推しがいる賞レースを、リアルタイムで視聴という経験をすることとなったのだ。

決勝1週間前くらいから何故か私が緊張していた。
できることなど一切ないのに。


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【ボトルメール】

きた。大本命。
実はこのネタ、タイトルだけは何度か聞いたことがあったのに一度も観たことがなくて。
何本か配信も観ていたけど1回も当たらなかったな。

浦井さんの語りから始まり、ここでもう世界観をぶつけられて非常に心地良かった。

白いワンピースを着た可憐な女性が現れたと思ったら、めちゃくちゃ酒ヤケした声で爆笑した。
これはジュニアさんと言われていて納得。

男ブラを知って間もないのもあり定かではないけれど、平井さんがこんなにコッテコテの関西弁喋るネタも珍しいんじゃないかな〜と思った。
柔らかい関西弁はよく聞くけど、ここまでのコッテコテはすごい。
シンプルに面白かった。

1回目のスポットライトの「あぁ、好きだぁ…」で笑いを掻っ攫っていったの、めちゃくちゃかっこよくて痺れたね。
好きなんかい!って裏切り。
一般的なストーリーの流れならあそこで疑問を抱くような発言をするはず、と思い込んでしまっていたものね。
お見事だった。

生粋の関西人のマリさん、ボトルメールを流すようには見えないのが良いギャップね…。
文通の内容が気になる。

ボトルメールで知り合って文通で会う約束をするなんて、純愛すぎて眩しい…と思っていたのだけど、「博っ打ングアプリ」というワードで吹っ飛んだ。
めちゃくちゃ笑った。

2回目のスポットライトで好きのボルテージを上げて、3回目もそのパターンだと思うじゃないですか。

「あぁ、タチバナマリさん、こんな人だったらいいのになぁ…」で鳥肌立った。
あなたたち、仕掛けの天才ですか…?

ここで進んだはずの時が戻る。

マリさんの「ホンマ来てくれたんやぁ」という第一声で「よっしゃラッキー!やったぁー!!!!」と叫ぶサトウさんを見て、私まで両手を上げて「やったー!!!!!!!」と叫んでしまった。

これ、誇張じゃなくて本当に嬉しくなって喜んじゃった。

「こんな人だったらいいのになぁ…」というセリフで、あっ本当は全然違う人なんだろうなと思わせておいて、想像通りの人という裏切り。

いや、どんだけ起爆剤持ってるの………。

マリさんの「褒めても何もでぇへんで」でサトウさんと全く同じ反応をしてしまったし、「言うてる場合か」で「言うてる場合か〜!!!!!!」となったし、もうこのあたりはサトウさんと私は一心同体になっていた。

「大好きだぁ!!!」で暗転していくの、本当に最高だったね。
だってもう、あの後には幸せな2人しか見えないじゃん。


その「大好きだぁ!!!」はそっくりそのまま男ブラさんに言いたい。

そもそも男ブラさんの観たことがないネタを観られたことが嬉しいのに、こんなにもあたたかくて素敵なコントを観せられたら、そりゃ泣いてしまうでしょ。


そして審査員からの評価も高く、10点も差をつけて暫定1位の席に座ったときはもう、嬉しくて。
もうあなたたちが優勝だよって心の中でずっと思っていた。

とにかく男ブラさんに対して、好きの感情しかなくなってしまったコントでした。


【袋】

これは最近だとソウドリでもやっていましたね。
配信でも何度かお目にかかれた。

何度観ても松田くんのお菓子の落とし方が秀逸なんですよね…。
わざとらしくなく、本当に自然な動きで。

これソウドリのときに有田さんも同じこと言ってたな。

お煎餅がぐしゃぐしゃなのも、きっと松田くんが森くんのところに辿り着くまでに何回も落としちゃったんだな…などと考えていた。

実際のところ、あの稽古をしている段階でバキバキに割れそうだよね。
何か意図があるのか、ないのか。

「忙しなくさせてしまって」とか「図らずもスクワットをさせてしまって」とか普段耳にしない、頭の中に残るワードが多くて、1本目とは違う男ブラさんの良さが出たネタだなと思った。

森くんが松田くんを見放すことをしないのが良い。
たぶん、森くんは相手が松田くんじゃなくても寄り添える人なんだと思う。

松田くんほどインパクトのある人、なかなかいないだろうから森くんはきっと最初から気づいていたのだろうね。


よく考えたら「あぁ、友達がほしいな」の件で言うこともできたはずなのだけど、言わなかったのは松田くんから気づいてほしかったのか…。
その辺の真相は分からないけど、想像が膨らむので楽しませてもらっている。

「友達認定の判を押した森くん」はかなりパンチが効いたワードだった。

泣き出しそうな松田くんがお菓子をぶちまけるんじゃないかと、構えに入る森くんがすごく好き。
結局間に合わないところも。

なんだろう、このコント。
終始やさしくない部分がひとつもないんだよな。

「その3円で袋買えたんじゃない?」とか「その袋は5円のやつ」みたいな数字を絡ませたボケもすごく好きで。

私が初めて観た男ブラのネタが"やっと見つけた花屋さん"だったのだけど、そこでもお釣りのキリがよくなるように支払ったけどお釣りはいらないというボケをされていて。
着眼点が好きだなと思ったんだよな。

フクロウもKOC仕様にストラップが大きくなっていて可愛かった。

あといつもパンツの裾の折り返しがめちゃくちゃ幅広いのに、今回はそうでもなかったなとか。

今思えば、袋とフクロウでかけているのか…?
YouTubeのはフクロウがいないパターンのやつ


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全体的な感想としては、言わずもがな今年のKOCはレベルが高すぎたなと。

また無限大メンバーだらけで、マミィ以外全組吉本。
なかなかないよね。

マミィはアウェイ感強かっただろうに、男ブラさんと一緒に準優勝ですごかったな…。


推しが賞レースに出るって、こんなに熱い気持ちになるし泣けるし本当に叫んじゃうほど嬉しくなるのだなと実感したKOCでした。

好きになって1ヶ月半ほどの私が感想を述べるのは本当に烏滸がましいのですが、男性ブランコを好きになって良かったと心から思った。

そして男性ブランコのこの先が楽しみでしかないし、絶対に着いていきたいと思いました。

1本目で暫定一位を死守していたときの安心感。
残りあと1組が男ブラさんより点数低ければファイナル確定だったのに、暫定一位から三位まで落とされたときの緊張感。
ファイナル進出が決まったときの安堵感。
おそらく忘れることはない。

こんな短時間で一喜一憂することって本当にあるんだ…!と思った。

でもこのKOCの中で一喜一憂ができるってすごいことで。
とても良い経験をさせてもらいました。
感情を揺さぶられた点については、文句なしの優勝です。

1本目は仕掛けの巧みさを魅せるコント、2本目は逸脱したワードセンスを魅せるコントで、ダークホースのご挨拶としてはあまりにも完璧過ぎたと思う。

間違いなく爪痕を残しましたね。

YouTubeのコメント欄もとても賑やかで、チャンネル登録者数も今は8,000人を超えているのがその証拠。

私が登録した1ヶ月半前は3,440人でした。

本当にすごいな。

もっと早く知りたかった、と思わないわけではないけれど、KOC2021の準決勝からファイナルの準優勝までの過程を見守ることができて、これはこれで絶好のタイミングだったなと思っている。

うん、好きになって良かった。

次にKOCの舞台に上がるときは、ダークホースではなく「KOC2021準優勝」という肩書を背負って出られるのだと思うと、もう既にわくわくしてしまっている自分がいる。


普段の無限大ホールに通うことは叶わないけれど、12月の単独は地を這ってでも行きたいと思っているし、配信もできる限りチェックします。

12月…遠征民には金銭的にも天候的にもなかなか手厳しい時期ではあるけれど、どうにか行けますように。
今から徳を積みます。


この度は、準優勝おめでとうございました。
そして、本当に本当にお疲れ様でした。

また来年、雪辱を果たしキングの座に上り詰めることを心から願っております!


これからも応援させてください。

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