娘に贈る回顧録 21/7300 お布団の中で ④
いつものように絵本を読んだ後、
明かりを落とす。
その日はなぜか怖いと泣き出した。
不安を感じているようだ。
一緒にいるから大丈夫。
手をつなぎながら、
話しかけてどうしたものかと探る。
「カーテンの後ろに隠れてる」
開けて何もいないと見せる。
「天井が怖い」
小さなオレンジの豆明かり。
その明暗が気になるのか。
ならば、いっそのこと。
ランタンを枕元に置く。
部屋の明かりは真っ暗に。
手をかざすと壁に影がうつる。
大きくしたり、小さくしたり。
娘の手を取って、やらせてみる。
グーにしたり、パーにしたり。
座らせて、腕をグルグル。
ひととおり遊んだところで、
定番のキツネ
ちょっと頑張ってウサギ
もう少し工夫してカタツムリ
小さな手で作ってみる。
影が怖くないように。
※※※※※※※※※※※※※
次の日も影遊びを。
今夜は懐中電灯にセロファン
赤
青
緑
あっちに行ったり、
こっちに来たり
色の光を目で追ってはしゃぐ。
捕まえようと立ち上がる。
つけたり、消したり。
お布団の上にも、壁にも、ドアにも。
※※※※※※※※※※※※※※
その次の日は何の形。
おままごとの箱から
スプーン
ブロック
くし
ハサミ
向きを変えて、難問。
わかるかな?
※※※※※※※※※※※※※※※
4日目で、影遊びは終わり。
絵本に戻って、そのままおやすみ。
割り箸に画用紙の人形
張り切って作ったのに、
出番はなかった。
親の盛り上がりを肩透かしして
興味は移る。
そんな風に
楽しい
おもしろい
なぜ
どうして
が増えていく
子供っておもしろい
一緒に遊んだ時間は楽しかったよ。