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娘に贈る回顧録 21/7300 お布団の中で ④

いつものように絵本を読んだ後、
明かりを落とす。

その日はなぜか怖いと泣き出した。

不安を感じているようだ。
一緒にいるから大丈夫。

手をつなぎながら、
話しかけてどうしたものかと探る。

「カーテンの後ろに隠れてる」

開けて何もいないと見せる。

「天井が怖い」

小さなオレンジの豆明かり。
その明暗が気になるのか。

ならば、いっそのこと。

ランタンを枕元に置く。
部屋の明かりは真っ暗に。

手をかざすと壁に影がうつる。
大きくしたり、小さくしたり。

娘の手を取って、やらせてみる。
グーにしたり、パーにしたり。

座らせて、腕をグルグル。

ひととおり遊んだところで、
定番のキツネ
ちょっと頑張ってウサギ
もう少し工夫してカタツムリ

小さな手で作ってみる。

影が怖くないように。

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次の日も影遊びを。

今夜は懐中電灯にセロファン





あっちに行ったり、
こっちに来たり

色の光を目で追ってはしゃぐ。
捕まえようと立ち上がる。

つけたり、消したり。

お布団の上にも、壁にも、ドアにも。

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その次の日は何の形。

おままごとの箱から
スプーン
ブロック
くし
ハサミ

向きを変えて、難問。
わかるかな?

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4日目で、影遊びは終わり。
絵本に戻って、そのままおやすみ。

割り箸に画用紙の人形
張り切って作ったのに、
出番はなかった。

親の盛り上がりを肩透かしして
興味は移る。

そんな風に
楽しい
おもしろい
なぜ
どうして
が増えていく

子供っておもしろい

一緒に遊んだ時間は楽しかったよ。