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娘に贈る回顧録 14/7300 お布団の中で③   

いただいた絵本が増えてきた。

今のお気に入りはヘンゼルとグレーテル。

子供たちだけで暗い森を進むドキドキ感。
お菓子のお家のワクワク感。
魔女と対決。ハラハラ。
お家に帰って、お父さんと再開。安堵。

はじめは普通に絵とお話を
読み聞かせていたけれど、
さすがに毎晩同じお話だと、
こちらが飽きてしまう。

そこで、クライマックスを演出。
そこだけ大袈裟に、身振りも入れて。

1日目は
暗い森に落としたパンが
小鳥に食べられてしまって
〔帰り道がわからない!〕
のところ

2日目は
お菓子のお家に喜ぶふたり
〔見てごらん!ぜーんぶお菓子だよ!〕
のところ

3日目は
魔女を閉じ込めて
〔さあ、出よう!帰るんだ!〕
のところ

いちばんのお気に入りは
家が見えているのに
湖があって渡れない
〔白鳥さん、向こう岸までのせてもらえませんか〕
〔あぁ!いいよ〕

なぜだかこの白鳥さんのセリフが大ウケ。

しまいには、そのページになると我慢できずに
笑い出す。

一晩に何回も、
何日も続けて読んだっけ。

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『覚えてるよ』
『お母さん、女優だったね!』

「お褒めに預かり光栄です。」

『あの話、実は奥深いの』
『中学校でも、高校でも童話集読んだ』
『なんか、色々考えちゃうよ』

「大人向けのは読んだことないわ」

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セリフひとつで喜んでいた。
両手で口を押さえて笑いを我慢していた。
何度も何度も読んで、とせがんできた。

あの頃のあなたは本当に可愛くて、
いつまでもあのままだと思っていたけれど…

自分を見つめて、社会を見つめて、
しっかりとした考えを言えるなんて。

今度図書館で
童話集、借りてこようかな。