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フジロック2022 Day3メモ

・ドラゴンドラ
午前中に乗車。動員数のわりに列が長いなと思ったら、1台あたりの乗車人数を制限していた(知らない人と相乗りにならない)のが原因だった模様。

あんまり長い時間はいられなかったけど、一番ピースフルな空間ですよね。DJがスピンする音楽に合わせて2~3人が踊ってて、あとは自由に座ったり食べたりと思い思いに過ごし、子供達が駆けずり回っているあの感じ。今年も山頂の空気の中で食べるソフトクリームは最高だった。昔は山頂から更に山頂に行ける道があったけど、封鎖されて入れなくなっていた。

普段買うより割高なのだがこの空気の中で食べるのが格別

ところでハイジのおねえさん、中の人変わった?

・石崎ひゅーい (RED MARQUEE)
あんまりフジロックっぽくないので出演発表時ちょっとビックリしたけれど、ご本人は2019年に観に来たらしく今回の出演に対し感慨深げ。その時になくしてしまったサングラスを今日は取り戻しにきた、という謎の決意(?)を話していた。「花瓶の花」というバラード始まりで意表を突かれつつも、「夜間飛行」「さよならエレジー」「第三惑星交響曲」まで、10周年らしいオールタイムベストなセットリストに。提供曲といえどみんな知ってる曲が1曲あるって強いな。

花瓶の花
トラガリ
パラサイト
夜間飛行
さよならエレジー
マシュマロパイ・サンドウィッチヘブン
ファンタジックレディオ
花束
第三惑星交響曲

・JAPANESE BREAKFAST (GREEN STAGE)
ワンちゃんの衣装とタトゥーがやたら鮮烈なヴィジュアルで登場。涼しげなインディーロックやドリームポップ系のサウンドと思いきや、そこに安住しない引き出しも見せていた。フェイ・ウォンのカバーがあったの、現場で分からなかったな...。
そう言えばステージ後方の銅鑼は序盤で曲に合せて数回鳴らしていて、あとどのタイミングでくるのかな?と思ったら最後まで一度もこなかった。あれはジャ~ン!と爆音で鳴らすのが醍醐味なんでは...もしくはシンバルキックとか。あの為だけに持ってきたと考えると、結構デカい荷物である。

(エキスプレスより抜粋)
Paprika
Be Sweet
Kokomo, IN
Road Head
Savage Good Boy
Boyish
The Body Is A Blade
Glider
Posing In Bondage
Everybody Wants To Love You
Slide Tackle
Dreams(Faye Wong cover)
Posing For Cars
Driving Woman

・鈴木雅之 (WHITE STAGE)
1曲目、なんだっけこの曲…と思っているうちにサビに突入。♪だけど信じてる 信じてる…って槇原敬之「SPY」か!と気付いたはいいものの、なんでフジロックでこの曲?と脳内に大きなハテナが浮かぶ。しかも2曲目はYOASOBI「怪物」。長いキャリアで曲数はあるはずなのに、なぜ2曲連続カバー…?いやカバーアルバム出してるのは知ってるけども、とこの時点ではあんまり気乗りしない展開だった。YOASOBIのステージがコロナでキャンセルになってしまった事へのエールの意味があるのはわかる。

しかしようやく流れが変わったのが3曲目。印象的なイントロを経て、♪違う違う そうじゃ そうじゃな~い とくれば観客大ウケ。すぐさま指を振って反応する。そこから「恋人」、フジロックの象徴・忌野清志郎へのリスペクトを表明した上での「スローバラード」カバーと続けば、すっかりフジロッカーのハートを掌握する事に成功していた。

更にピークはこの後だった。佐藤善雄と桑マンを迎え、昨年の紅白でも見る事ができた3人ラッツ&スターが実現。この日はバンドメンバーのコーラス2名を迎えて5人体制になっていた。「ハリケーン」から始まった80年代タイムスリップの旅は「め組のひと」で桑マンの軽快なトランペットが空高く響き渡り、最高の日曜の午後を演出。「ランナウェイ」ではコーラスを観客がなぞり、桑マンが「夢みたいだよ」と漏らすと、それがフリとなって「夢で逢えたら」に突入するのも粋だった。

ラッツメンバーが退場するとラストは「ガラス越しに消えた夏」。とにかく観客が知らない曲を一切やらない!とばかりにヒット曲とカバー曲で構成したセットリストだったのがよくわかった。トップ10入りしたぐらいのヒット曲なら他にもあるはずなんだけど、それよりも今の観客が知ってるかどうかが基準だったと思う。とても潔いし英断と言えるだろう。ただ、冒頭のマッキーはどういう意図だったんだ...?(まだ言う)

SPY
怪物
違う、そうじゃない
恋人
スローバラード
ハリケーン
め組のひと
ランナウェイ
夢で逢えたら
ガラス越しに消えた夏

・マカロニえんぴつ (RED MARQUEE)
目下人気絶頂。ほんとにどこのフェスにも出ているぐらい引っ張りだこなバンドだが、この日は60分という事で他のフェスより尺が長め。更に初出演のフジロックという特殊な環境で、魅せ方を少し変えてきた感があった。

「はしりがき」「なんでもないよ、」などのポップサイドの代表曲を交えつつも「恋人ごっこ」や「ヤングアダルト」などを外し、後半はややロック色の強いセットリストに。中学生ぐらいの女子2人組が本当に嬉しそうに観ていて、ああこれがティーンのリアルなのだなという気持ちになった。MCは少なめだったが、できればはっとりがフジロックで着ぐるみバイトをしていた件にも言及してほしかったなと思う。(先日ラジオで明かしたエピソード)

・大道芸(?)の加納
レッドマーキーからオアシスを通り、ホワイト方面に向かおうとしていたところ、大道芸が始まるようでスペースができていた。フジロックではいつもの事なのでスルーしてもよいのだが、何やら見覚えのある青ジャージの女性がいる。急いで記憶の引き出しを開けまくった結果、思い出した。モヤさまに出てた人だ!五輪真弓「恋人よ」に乗せたシュールなパフォーマンスでさまぁ~ずを苦笑させた加納、その人である。見るからにすごい大道芸というわけではないのでまさかこんなところでお会いできるとは思わず、偶然の出会いに思わず最後まで見てしまった。

見覚えのある「加納の時間!!」

言語化するのはかなり困難なのだが、あの環境であの芸風、まず率直にめちゃくちゃハート強いし、一体どうやって生計立ててんだよ!といった純粋な疑問も湧いた。でも不器用な生き方しか選べなかっただけで、人柄は悪くないんだろう。

一番爆笑したのはラストだった。大道芸人達は今年からフジロックキャッシュレス化の波を受け、投げ銭を貰えなくなってしまったのだが、なんとオンラインでの投げ銭システムが故障。やむなくその場で現金を持っている人からおひねりを募るという、どうしようもない展開に。オチとしては最高。

・SUPERORGANISM (WHITE STAGE)
前回出演時に観る事ができなかったのでようやく!という感じだったのだが、オロノのキャラクターとその左右で繰り広げられるキュートなダンスにすっかり見入ってしまった。ハイライトは終盤。ミュージシャン仲間(め組の菅原達也など)や観客をステージにあげまくったのだが、その際にオロノが繰り出す日本語のチョイスに笑いが止まらなかった。すごい冷めてるんだけど根が優しいのが垣間見えて好き。バンドのTシャツを買った人やハーモニカが吹ける人などはポイントが高く優先的にステージにあげてもらえる一方、しつこくアピールし続けているとオロノが根負けして許可するケースもあった。最終的にホワイトステージに30人ぐらいは立っていただろうか。コロナ禍以降、こんなに密になったステージはなかなかなかったと思う。別に何をするわけでもなく曲に合わせて並んでノっているだけなのだが、なぜか胸を打つ感動がある。人と人との間に距離ができた時代に、それでもやっぱり人が集まる事の力ってあるよなと思わされたし、フェスとは何かを体現していた。ライブ終了後、移動するハライチ澤部を見かけた。

・ずっと真夜中でいいのに。 (WHITE STAGE)
4月のワンマンライブで初めて生で観て驚いたバンド。オープンリールなどを擁する超特殊な編成から繰り出される演奏はもはやどういうアンサンブルなのかわからないレベルなのに、楽曲としては前衛的なわけではなく現代のポップミュージックのど真ん中をいく、その特異なバランス感覚に惹かれた。ヴィジュアル含め怪しげでよく分からない存在なのにちゃんと大箱映えするのはACAねの歌の存在感によるところが大きいと思うし、夜のWHITE STAGEのミステリアスな空気にもぴったりだった。

・HALSEY (GREEN STAGE)
フジロックでは過去にビョークやSIAがヘッドライナーを務めた事があり、その延長線上で捉えていたホールジー。いやはや、想像以上にれっきとしたロックアクトで、MURA MASAに移動する事なく全部観るばかりか最終的に最前列まで行ってしまった。ステージを所狭しと動き回り、自由と多様性を全身で表現する姿はまさに新世代のポップスターといった趣。

演出面もかなり大掛かりで、ステージ上部から激しい火花が散り、終盤にはOK GOかよと言いたくもなるほどの大量の紙吹雪が舞った。本当にすごい量で、帰ってからズボンのポケットからも紙が出てきた。お掃除大変だったと思う。

グリーンステージ地面を覆い尽くす紙吹雪

あとウィッグなのか分からないけれど、金髪の髪色が蓄光仕様のごとく暗闇の中でも目立っていて、遠くからでもハッキリとわかるのがよく出来ているなと思った。

・総括
3日間、総じて晴れた。雨が降る時間もあったが本格的なものではなく、それほどのダメージではなかった。この天気の良さは数年振りで、かなり過ごしやすい年だったと思う。それだけに3日目のグリーンステージ終演後、重い荷物を抱えてバス乗り場に向かう間に降った雨が結構しんどく感じた。

コロナ禍におけるルール周知自体はかなり徹底されていたが、皆が守っていたかとなるとそこには疑問符がつく。声出しについて言及したステージMCに対して歓声が起きるのはもはや話聞く気ねーじゃんとしか思えなかったし、実際ライブではそれ以上の歓声が起きていた。特にレッドマーキーでのライブは何度か入場規制がかかった事もあり密になりやすく、マスクをしていない人までいて正直怖かった。Awich、アーロ・パークスあたりで感染の危険を感じ、声を出しそうな人からは距離をとるよう努めたけれど、不安は拭えないものである。Twitterでは感染報告も出ていただけに、帰宅後2日経って抗原検査を行い、陰性が出た時は心底ホッとした。

海外勢のアクトではそもそも演者側が声出しを煽ってしまっているケースもあった。ただ、ルールを理解しながらも無視しているのか、ハナからそういうもんだと思っているのか、判断ができない。観客も煽られたら応えてしまうし、これを防ぐのは難しかったと思う。感染者数は過去最大級に爆発していたけれど、やはり去年のような緊張感にはならなかった。今年解禁されたお酒が観客の心理にどの程度影響を与えていたのかも、検証が難しく本当のところはわからない。来週のサマソニ、ちょっと不安だ。

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