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文化祭という名の異世界へ行ってきた|日記

夫と夫の出身高校の文化祭に行った。想像以上の活気と賑わいだった。
既視感があるなあと思ったら、米澤穂信著「氷菓」に出てくる神山高校の文化祭だった。どのクラスも部活もこのイベントに賭けているのが伝わってくる。君たち、受験勉強は大丈夫なのかい??

混沌のクラス展示

「怪物に飲み込まれた街が、その怪物の腹の中で存続している世界」を作ったクラス展示に入った。
教室のドアを開けると内臓!ヒイ~~~すごいクオリティ~~~
その街にはこの内臓(たぶん食道)を通り抜けないといけないんだけど、これが進めば進むほど狭くなっていく。最終的に床を這うように、ホフク前進の形で進むことに。めっちゃ狭い!
で、事件なんだけど、ちょうどその日に限って腰痛がやばくて緊急停止。だって先が狭くなってるって知らなかったんだもん!!!
ピーンと腰が張った状態で人ひとり入れる空間に頭から突っ込んじゃって引き返すこともできず。
なるべく刺激を与えないようにそーっと動く→休憩の繰り返し。
食道の途中で休憩をすることになろうとは。ピンチ。

偏差値70超の進学校に通う彼らにもまだ未熟なところがあって、可愛いではないかと自分を励ます。
社会に蔓延るSDGs警察の届かない世界で、自分たちのやりたい表現を存分に突き詰めてやれる(展示のクオリティがそれを証明している)というのは大変結構ではないか!そういう経験はプライスレスで、ユニバーサルデザインがどうだのとごにょごにょ言うような大人に奪われるべきものでない!私は応援するぞ!!こんなピンチで嘆く者の方が未熟だ!むしろこのピンチを喜ぼう!!!やったー(?)

食道を抜けた先には、禍々しいオーラを放つ異世界があった。
街のいたるところには貼り紙。「自治会とみられる団体からのお知らせ」「新興宗教の類」「ペットとみられる犬のような生物の捜索願」「奇怪な求人広告」などを眺める。ここに住む人々の生活が健やかでないことがよく分かった。(境遇からして健やかなわけがない。)

その後は書道部や軽音部のライブパフォーマンスを見たり、夫の思い出の地ツアーをしてもらったりして楽しく過ごした。高校生、輝いていたなあ。純粋に元気をもらいましたとさ。

私の文化祭の思い出

私の高校時代の学祭で、強烈に覚えている思い出が2つあるから読んでほしい。

クラスの劇でラストにキスシーンのある物語をやることになった。私と友人のタンポポは本が好きだという理由で脚本を書くことに。
練習で「キスはフリで」って伝えていたのに、いざ本番で主役二人が本当にキスしたものだからタンポポと2人でキレた。今思うと可愛くて笑える。
そんなことで怒らんでもいいのにって思うけど、ウチらは本気で怒っていた。
タンポポは「あの子らが付き合うためのお膳立てでやったんと違うのに!!」って地団駄を踏んでたね。(笑)
でもイケイケな子たちだったので、本人らには怒れず2人だけでプリプリしてた。

もう1つの思い出は、タンポポと後片付けをやっている途中で「集合写真撮るよ~」って言われて慌ててひな壇に登ったんだけど、間に合わなくて後ろ姿で撮られた集合写真。文字にしてみると切ないな!
写真の一番前の列では、その劇中でチューした男子が袴姿でいかつい座り方していた。
彼はその写真をSNSにアップして、「みんなのおかげで最高な思い出になった!」っていうコメントを残す。それを見て、またタンポポと2人でキレる。
「私たちを理解してくれるのは森見先生だけ」と慰め合った。(森見登美彦先生の小説が2人とも大好きだった)

全ての青春にリスペクト!

高校の文化祭。夫の高校のような輝かしい文化祭は素敵で正直とても憧れる。
でもやっぱり、タンポポと一緒に過ごしたあの日々以外の思い出は要らないのである。


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