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人生に迷えるOLが「人生哲学」を持ったら生きやすくなった話。


生きている間は、選択の連続である。「今日のランチは何にしようかな」といった些細なことから「この道とあの道、どちらを選ぶべきだろう」という人生のターニングポイントに至るまで。私たちはいつも選択に迫られながら生きている。

私はずっと”何かを選ぶ行為“が苦手だった。自分の判断にいつも自信が持てず、いっそのこと誰かが決めてくれたらいいのに、といつも思っていた。

今思えば、まったく無責任だったと思う。いい歳した大人が自分のことすら自分で決められず、誰かに判断を委ねるなんて。



ある時、「人生哲学」(行動指針)という概念を知った。企業でいうところの「経営理念」のようなものだ。


結果として、人生哲学を持つことは自分をより深く理解するきっかけとなった。それによってきちんと自分基準で判断ができるようになり、私の場合はこれを持つと持たないでは生きやすさに大きな差が生まれたのだ。

「なんとなく生きづらさを感じている」「他人軸で生きてしまう」「自分で判断することが苦手だ」

……そんな心当たりがある方は、このまま読み進めて欲しい。


経営の神様から学んだ、私の人生哲学

私の人生哲学は「人間として正しい」行いをすることである。

私にこの哲学を与えてくれたのは日本を代表する経営者の一人、稲盛 和夫氏である。言わずと知れた、京セラやKDDIの創業者で2010年には赤字続きの日本航空の会長に無報酬で就任、わずか3年足らずで再上場させた華麗なる経歴の持ち主だ。

彼の著書『生き方』には次のような文章がある。

私の成功に理由を求めるとすれば、たったそれだけのことなのかもしれません。つまり私には才能は不足していたかもしれないが、人間として正しいことを追求するという単純な、しかし力強い指針があったということです。          『生き方』(稲盛 和夫)

彼の著書には「人間として正しい」という言葉が度々登場する。それを象徴するエピソードとして「感謝すること」「努力すること」「夢を持つこと」などが描かれている。

どれも至ってシンプルなことだが、私たちがそれらを実現するのは容易ではない。大人になればなるほど、自分の利益を得るためにずる賢く行動しなくてはいけなかったり、上手く生きていくために自分に嘘をつく必要もあるだろう。

「正直者が馬鹿を見る」という言葉があるように、実直な行動がいつも評価される世の中ではないのが現実だ。

それでも私は、彼の言う「人間として正しい」ということを自らの人生哲学に据えた。

どんなに困難な状況でも前向きに対処する、人間としての強さ・美しさが、私には眩しかった。

この哲学の説得には、彼の人生を辿る必要がある。


失敗だらけの人生から

彼は決して順風満帆な人生を歩んできたわけではない。
戦争や持病に苦しみ、受験に失敗し、就職活動もうまく行かず、やっと就職できた会社はずさんな経営体制。おまけに仕事内容も彼にとって全く興味のないものだった。

初めは自分の人生を恨み、不平不満ばかりを口にしてきた彼だが、ある時から自分の考え方を変える事で人生を好転させてきた。

どんな時も前向きに、人生はきっとうまくいくと信じる。そして弛まぬ努力を続ける。不平不満を言ったり他人を恨んだりしてはいけない。

それが”人間としてあるべき姿“なのだと。

技術者としてキャリアをスタートした彼はやがて経営者となった。経営に関しては素人だったが、「人間として正しいかどうか」というシンプルな指針の元、様々な経営判断をしてきた。そして、ついに京セラを世界一の会社に育て上げたのだ。

成功者である彼の哲学が、挫折や失敗を繰り返しながら確立させたものであることがお分かり頂けただろうか。


あなたにとっての人生哲学とは

生きていると、いいことも悪いことも数え切れないほど遭遇する。

自分の生きる意味や目的を見失いそうになったり、世間の多様な価値観に振り回され自分の立っている場所がわからなくなることもあるだろう。

そんな時、人生哲学を持っておくと、それが自分の羅針盤になる。

何があっても揺るがない人生哲学を貫くことで、自信を持って人生を選んでいける。

その哲学は、人によって異なるだろう。

もし、まだ自分の人生哲学を持っていないという方がいれば、ぜひ稲盛 和夫氏の生き方に触れてみて欲しい。

彼の人生哲学の根底にはいつも「利他の心」がある。

利他の心とは自分さえ良ければいいという考えではなく、みんなにとって良いことを追求する心である。

「世のため人のために尽くすことによって、自分の運命を変えていくことができます。自分だけよければいい、という利己の心を離れて、他人の幸せを願う利他の心になる。そうすれば自分の人生が豊かになり、幸運に恵まれる」
『成功の要諦』(稲盛和夫 )


未曾有の事態となった昨今、みんな生きていくのに必死だ。

他人を思いやる余裕が無くなり、つい自分さえ良ければいい、と思ってしまうこともあるだろう。

それでも。
人間としての正しさを貫いたり、利他の心を持って世の中のために力を尽くしている人は、きっとたくさん居るはずだ。(そう信じている)

こんな時代だからこそ、利他の心で明るい未来をつくりたい。


最後に、ここまで読んでくれたあなたにこのメッセージを紹介する。

どんな逆境にあっても、どんなに辛くても、常に明るい気持ちで理想を掲げ、希望をもち続けながら一生懸命努力を重ねてきた結果が、京セラの今日をつくったのです。
人生はすばらしく、希望に満ちています。常に「私にはすばらしい人生がひらかれている」と思い続けることが大切です。決して不平不満を言ったり、暗くうっとうしい気持ちをもったり、ましてや人を恨んだり、憎んだり、妬んだりしてはいけません。そういう思いをもつこと自体が人生を暗くするからです。
非常に単純なことですが、自分の未来に希望をいだいて明るく積極的に行動していくことが、仕事や人生をより良くするための第一条件なのです。        「稲盛 和夫OFFICIAL SITE」フィロソフィより『常に明るく』

人間として正しいことを貫くのは、時に辛く虚しいことだ。真面目に頑張っている自分だけが、損をしているように思えるかもしれない。

しかし彼の人生をもって証明されている人生哲学は、いつも私をそんな迷いから救い出してくれる。今日も今日とて、人間として正しいことを自信を持って追求できるのだ。

先の見えない不安な時代だからこそ、あらゆる判断を瞬時にしていかなければ取り残されてしまう。ますます人生哲学を持つことが重要になってくるだろう。

人生哲学は、より良い未来を目指す人をきっと助けてくれる。



#自分にとって大切なこと