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『ファウダ-報復の連鎖-』から学ぶ、アラビア語の口説き文句

アラビア語学習者の皆さん、「アラビア語話せるんでしょ? じゃあ何か話してみて〜」と言われたとき、何をいいますか?

アラビア語みたいな日本では珍しい言語を学んでいると、よく言われることではないでしょうか。

無難に自己紹介でもしますか? 有名なことわざを言ったり、あるいは詩を詠みあげますか? あるいはコーランの一節を詠みあげますか?

まあ何を言ったところで、それが正しいかどうかは相手にはわからないのですが、機転を利かせたことを言えたりしたらかっこいいですよね。

さて、今回はそんな質問に対する答えの一例を、『ファウダ-報復の連鎖-』シーズン1の第2話に登場する、イケメンのイスラエル諜報部員ボアズから学びましょう。

イスラエルの諜報部員であるボアズはアラビア語ペラペラで、そのアラビア語を活かして、パレスチナ人の間に紛れ込み、日々ミッションをこなしています。

そんな彼と恋人(イスラエル人非アラビア語話者)の間の会話です。この会話はヘブライ語で行われています。諜報部員であるため自分の仕事を言えないボアズが、言い訳として「防衛省でアラブ人と働いている」と嘘をついた後の会話です。

彼女「アラビア語話せるの?」

ボアズ「うん」

彼女「何か言ってみて」

ボアズ「(アラビア語ペラペラペラ〜。このとき字幕は無い。)」

彼女「なんて意味?」

ボアズ「そうだな、、、君に会う前に見た全ては人生の無駄だった、、ってとこかな」

彼女「ステキ」

はい。ステキです。ステキなんです。ただアラビア語学習者として気になるのは、ボアズが実際にアラビア語で何と言ったかということなのです。(本当にそれを意味するアラビア語を言ったのかということも含めて。)

彼が何と言ったのか? 答えを言ってしまうと、
「اللي شفته قبل ما تشوفك عنيه عمر ضايع」です!!

つまり「イッリー・シュフトフ・アブリ・マー・タシューファック・アナイヤー・オマリ・ダーイア」です!!(すごい呪文見たい)

はい、お気付きのようにアラビア語エジプト方言です。そしてこれは超有名エジプト人歌手ウンム・クルスームの『あなたは私の人生(Enta Omry)』からの引用であります!

この歌は1時間弱もある超大作です。

この動画の8分33秒辺りから、「イッリー・シュフトフ〜」が始まります。

いや〜、ただかっこいいセリフを言うだけでなく、それを有名な歌の一節から引用してくるっていうんですから、ボアズはやりますな。

ただアラビア語が話せるだけでなく、そういった文化的背景を押さえた上で諜報活動をおこなっているわけですね。

というわけで、いつか万が一、使うときのためにしっかりと覚えておきましょう。「イッリー・シュフトフ・アブリ・マー・・・・・・」

はい、それでは!




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