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「プロゴルファー猿」漬けの日曜日

YouTubeのオススメ動画を適当に見ていたら、「プロゴルファー猿」のアニメイッキ見企画をやっていて、つい見始めたら止まらなくなった。

今だけの限定配信とのことなので、皆様もご覧いただきたいのだが、これが滅茶苦茶面白い。少年時代にドはまりしたアニメで、「猿」に影響を受けて山の中にゴルフコースを作ったりしたことを思い出す。

全153話・33時間の超大作なので全て観ることが難しいが、冒頭の方や、アマチュア選手権や、功夫との対決、プロ試験などは是非この機会にチェックしておきたい。

僕はと言えば、アニメで猿熱に火が付いてしまい、棚の奥からコミックを30冊以上引っ張り出してきて、これを熟読した。


改めて通読して感心したのは、マンガ的ギミックと現実(リアル)との融合具合である。

冒頭、例えば猿の得意技である「旗つつみ」や「モズ落とし」など、少年マンガ特有のギミックが飛び出す。猿が対峙する影のプロゴルファーたちも、殺し屋だったり燃えよドラゴンだったりと、荒唐無稽そのものである。

しかし、ストーリーは現実的なアマチュア選手権での競技だったり、本当のプロになるべくプロ編入試験に挑戦したりと、いつの間にか現実のプロゴルファーの世界に近づいていく。

荒唐無稽さとリアルさが、なぜか地続きになっていて、独特な世界観を形成することに成功しているのである。

似たような作品としては「キャプテン翼」なんかもそうかもしれない。


安孫子先生の作品は、F作品にはあまり感じられないドラマティックな「熱さ」がある。人間の感情がむき出しなのだ。この熱さで言うと、とても印象深いのが、アマチュア選手権で優勝できるか、できないかとヤキモキさせる場面である。

猿は「ワイはプロゴルファーや」といつも言っているように、賭けゴルフやレッスンプロみたいなことをしてお金を稼いでいる。このセミプロのような行為を働いているにも関わらず、猿はアマチュア大会に出場し、優勝を狙える位置につける。

しかしアマチュア大会の規則ではゴルフで賞金を稼ぐようなプロには参加資格がないのである。大会委員長は猿の日常を知り、彼がアマチュアとして認められるのかどうか思い悩む。

読者としてもどっちなんだ?と気を揉むわけだが、スコアトップでホールアウトした猿に対して、大会委員長は猿の優勝を認めるのである。

この時委員長は、猿のゴルフにかける情熱はアマチュア精神そのものであると、そういう非常に感情的な決断を下すのである。

この場面、読むと必ず泣いてしまうのだが、今回も無事(?)泣いてしまった。


ちなみにアマチュア選手権で優勝し、お金ではなく名誉を得た猿だったが、次のシリーズでは、やっぱプロになると、あっさりプロ宣言して大会委員長をのけ反らせる。

こういうところも最高なのである。



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